意地悪姉のレッテルを貼られて家を追い出された有能令嬢は、皇子様に溺愛されて人生をやり直す。




メルランディア子爵家には、意地悪な姉がいる。

妹の可愛さに嫉妬し、後妻の娘である妹に家族の邪魔者と罵倒を浴びせ、妹の持ち物を壊し、食事を捨て、見えないところで暴力を振るう意地悪な姉《リネット=メルランディア》。

意地悪な姉に虐められながらも、健気に姉を慕う、可哀想な妹の《ウル》。

ある日、意地悪な姉はついに一線を越え、妹を階段から突き落とした。

幸い、命に別状はなく、足を捻った程度だったが、これを見た両親は、流石にこのままにしておくわけにはいかないと、姉を勘当し、修道院に送る決意をした。

こうして、メルランディア子爵家からは意地悪な姉がいなくなり、平和が訪れた。

意地悪な姉に虐められていた可哀想な妹ウルは、長年片思いし、実は両想いだった姉の婚約者である《クリフ》様と婚約を結び直し、優しい両親に祝福され、幸せに暮らしました、とさ。

 めでたしめでたし。


――――これが、私の、意地悪な姉リネットの物語。
妹のウルに婚約者を奪われ、家を追い出され、修道院で残りの生涯を終える。

か弱い妹を階段から突き落とすような酷い姉に相応しい結末だと、誰もが思うのでしょう。


 私は、妹を虐めたことなんて、一度も無いのにね。


修道院では、誰の邪魔にならないよう、息を殺して暮らそう。
どれだけ頑張っても、どうせ誰も私を見てくれない、信じてくれない、好きになってくれないんだから――――

そう、思っていたのに。


「俺の婚約者になって下さい、リネット」


学生時代のクラスメイトだった《アレン=フォン=バレット》からの突然の告白。アレンはこの国の第三皇子であり、帝国騎士団の魔法使いだった。

私はこれから、私を信じて好きになってくれた人達と幸せになります。
手放したことを後悔しても遅いから。




不定期更新。
この作品は私の考えた世界の話です。魔法あり。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。
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