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常春の国 篇

奪われた異世界の姫

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冬子とうこ微睡まどろむ中、肌に感じる体温に激しいほどの熱を感じては、ゆっくりと重いまぶたを押し開ける。

冬子の美しい黒曜石こくようせきの瞳にうつるのは、いまだかつて目にした事もないほどの極上ごくじょう美貌びぼうほこる男。

「いやぁ……!」

突如とつじょ、冬子から悲鳴がれる。

(いやっ、どうしてどうして、何が起こっているの……!)

今の冬子には何もわからない。

お互いに裸体らたいさらし、ひど密着みっちゃくしては抱き締め合っている。

ーと云うよりは、冬子が一方的に抱かれているという事実。

(なぜっ、どうして記憶がないの……!)

ただ、唯一ゆいいつわかるのは、自分が「冬子とうこ」という名であることだけ。

あせる冬子は美しい裸体をよじるが、動けばよけいに抱き合うお互いの肌がれ、その美貌びぼうの男の欲情をあおる。

必死にもがく冬子をものともせずに、極上ごくじょうの美しい男は、冬子の裸体らたいを寝台に縫い付けたまま、冬子の豊かな胸元むなもとへと唇をわせる。

ぬるりっとした感触かんしょくが、冬子に要らぬ恐怖を植え付ける。

「あっあっ……」

さらには、冬子の桃色に色付く豊かな胸のいただきを執拗しつようめては、その厚いしたもてあそ極上ごくじょうの美しい男

そして容赦ようしゃなくきばを立てる。

っ! あっ、いや……!」

初めての経験に涙ぐむ冬子。

痛がる冬子をものともせず、薄く笑みを浮かべる極上ごくじょうの美しい男は止めようとはしない。

更には、極上ごくじょうの美しい男は、寝台に置かれた綺麗きれい小瓶こびんに手を伸ばし、己れの口に小瓶こびん中身全なかみすべてを含むと、それを己れの口でって、冬子の口の中へと流し込む。

「ううっ……!」

冬子の唇は強引にふさがれ、液体はのどへと流れ込み、そして身体中からだじゅうへと一気に駆け巡る。

次第に冬子の身体からだからは、におい立つほどの色香いろかあふれ出し、欲情の波が否応いやおうなしに押し寄せる。

ほんのりと赤く色づく冬子の裸体らたいには、激しいほどの熱がめぐる。

「はぁ、はぁ、ああっ! ああん……あああっー!」

熱い吐息といきが、自然と冬子かられては、あえぎ声がひびく。

極上ごくじょうの美しい男は満足気まんぞくげうなずくと、あろうことか冬子の秘部ひぶへとふとく長い指を差し込む。

「ああっ! いや、痛い! ああっ、いやぁ……!」

美貌びぼうの男は、更なる奥へと指をすべらせると、その指で幾度いくどとなく冬子の秘部ひぶを刺激する。

「あっ、あっ、ああっ! いやぁ、ああんっ!」

冬子の秘部ひぶへの容赦ようしゃのない責めは続き、幾度いくども指を出し入れしては、それ繰り返す美貌びぼうの男の相貌そうぼうには、あやしいまでの笑みが浮かぶ。

次第に、その指の動きを早めながら冬子の白く美しい乳房ちぶさを強くみしだくと、冬子の秘部ひぶからは、意思とは関係なしに、更なる甘いみつあふれ出し、冬子の白い内腿うちももを汚しては、かぐわしい色香いろかを放つ。

「ほぉ、これは素晴らしい……! さすがは異世界の姫だ。まさに極上ごくじょうはな! 生娘きむすめであるのに、このように愛液あいえきらしを誘うとはー……まことに素晴らしいー」

極上ごくじょうの美しい男は、感嘆かんたんの声を上げる。

「ーこれ程に美しく、これ程につややかならば、永劫えいごうとして縛り付けようものー……くくっ、姫は誰にも渡すまい。わざわざこの手にした甲斐かいがある」

そして、冬子の秘部ひぶからしたた愛液あいえきを指にからめては、め取り、そのかぐわしい香りをたのしむ。

「ああっ、感度かんど極上ごくじょうのようだー……良く馴染なじむ。なんともなまめめかしい姫よ」

極上ごくじょうの美しい男は、〈黄金の髪〉に〈金眼きんめ〉をたたえ、春の陽射ひざしのような笑みをあふれさせるも、その相貌そうぼう情欲じょうよくあふれ、冬子への激しい愛撫あいぶを止めようとはしない。

いやがりながらも「あっ、ああんっ……!」とがりえぐ冬子。

極上ごくじょうの美しい男は、先程さきほど飲ませた媚薬びやく効能こうのうを期待すると、冬子の秘部ひぶからとめどなくあふれ出しては、そのやわらかな白いももらす甘いみつにほくそ笑む。

そして、冬子の秘部ひぶからあふれ出した甘いみつを、再び差し込んだ指ですくい取る。

「ー姫は……まこと淫靡いんびはなよ」

その舌で以ってめ取る男の顔は、恐ろしいほどの情欲よくじょうに燃えている。

すでに媚薬びやく効能こうのうが現れる冬子には、男の卑猥ひわいな行動さえも、身体からだ否応いやおうなしに反応し、もう何も考えられない。

不意に、男は冬子の左胸の上部にある雪のはなのようなあざを見て取る。

「くくっ、そう云う事かー……まさか極冬王きょくとうおうあかしがあるとはな。の王の姫かー……どうやら召喚しょうかんには成功したようだが、運には見放されたとみえる。我が国に舞い降りた以上は、もはや姫は。このように愛撫あいぶされては甘いみつらす姫は、の色にも染まるようだー……の熱を感じるたびに、極冬王きょくとうおうあかしが薄くなる……ならばー」

極上ごくじょうの美しい男は、冬子の熱に浮かされたなまめかしい相貌そうぼうを見ながら告げる。

極冬王きょくとうおうには渡すまい。先にが見つけた異世界の姫は、もはやー……姫、今からそなたを奪う。極冬王きょくとうおうに奪われる前にな」

美しい相貌そうぼうに冷酷な微笑ほほえみを含ませ、非情ひじょうにもそう告げる美しい男は「常春とこはるの王」と云われるこの国の絶対的君主ぜったいてきくんしゅ

冬子を召喚しょうかんした極冬王きょくとうおうではなく、冬子がとらわれたのは常春とこはるの王の国。

常春とこはるの王」自身。

まさに今いるこの場所が、常春とこはるの王の豪奢ごうしゃな寝所であるとは、熱に浮かされた冬子にはわかるはずもない。

ーただ、甘いうずきが冬子を支配する。

「異世界の姫」と呼ばれるまれな姫をが、よもやの常春とこはるの王とは、まさかの極冬王きょくとうおうでさえも思うまい。

異世界の姫の全ては、すでに常春とこはるの王の



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