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常春の国 篇
離れの宮・一の后の末路と懐刀・二の后の展望
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双翼のハルが、二の后を伴い、常春の王の元へと向かった同刻。
ある者の後始末を終えた双翼のリョク。血糊の付いた剣を祓い、鞘へと納める。
黄金の髪を纏う双翼のリョクが、帯刀する煌びやかな〈黄金の剣〉は、常春の王から下賜されたリョクのお気に入り。鞘にも豪華な装飾が施され、斬れ味は最高の代物。
方や、双翼のハルには、繊細な装飾の施された〈銀製の剣〉が下賜されている。
常春の王は、美しさも強さも残忍さも併せ持つ双翼の二人を無条件に寵愛している。
そして、つまりところ。
無邪気で残酷な双翼リョクは、一の后を自ら処分。
一の后に最期の選択を迫りながらも、毒の痛みにのたうち回る一の后の髪の毛を鷲掴みにし、その顔を上げさせるなり、躊躇もなく頭と胴を切り離す。
ごとりと転がり落ちる一の后の頭部。
憐れにも事切れる。
それを冷ややかな眼差しで見下ろすリョク。
「……拍子抜けだよ、汚らわしい」
汚いモノでも見るように一瞥する。
すぐさま、無惨な姿を晒す一の后の屍を灰と化し、ついで〈離れの宮〉にも業火を放ち、全てを焼き尽くす。
ようやく全てを一掃した双翼のリョクは、嬉々として主君の元へと向かう。
一方で。
その頃の双翼のハルは、〈王の宮〉へと二の后を伴い訪れている。
常春の王へと二の后の処遇を進言し、その裁可を仰ぐ双翼のハル。
常春の王に恋情も抱かず、信念の為なら自身の命すら惜しまない二の后なら、常春の王の寵姫たる異世界の姫にも忠実に仕えることは容易。
そして双翼のハルの機転により、二の后は異世界の姫に仕えることを許された「唯一の側仕え」となる。
ある者の後始末を終えた双翼のリョク。血糊の付いた剣を祓い、鞘へと納める。
黄金の髪を纏う双翼のリョクが、帯刀する煌びやかな〈黄金の剣〉は、常春の王から下賜されたリョクのお気に入り。鞘にも豪華な装飾が施され、斬れ味は最高の代物。
方や、双翼のハルには、繊細な装飾の施された〈銀製の剣〉が下賜されている。
常春の王は、美しさも強さも残忍さも併せ持つ双翼の二人を無条件に寵愛している。
そして、つまりところ。
無邪気で残酷な双翼リョクは、一の后を自ら処分。
一の后に最期の選択を迫りながらも、毒の痛みにのたうち回る一の后の髪の毛を鷲掴みにし、その顔を上げさせるなり、躊躇もなく頭と胴を切り離す。
ごとりと転がり落ちる一の后の頭部。
憐れにも事切れる。
それを冷ややかな眼差しで見下ろすリョク。
「……拍子抜けだよ、汚らわしい」
汚いモノでも見るように一瞥する。
すぐさま、無惨な姿を晒す一の后の屍を灰と化し、ついで〈離れの宮〉にも業火を放ち、全てを焼き尽くす。
ようやく全てを一掃した双翼のリョクは、嬉々として主君の元へと向かう。
一方で。
その頃の双翼のハルは、〈王の宮〉へと二の后を伴い訪れている。
常春の王へと二の后の処遇を進言し、その裁可を仰ぐ双翼のハル。
常春の王に恋情も抱かず、信念の為なら自身の命すら惜しまない二の后なら、常春の王の寵姫たる異世界の姫にも忠実に仕えることは容易。
そして双翼のハルの機転により、二の后は異世界の姫に仕えることを許された「唯一の側仕え」となる。
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