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常春の国 篇

執愛される異世界の姫

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冬子が眠る合間あいまに用意された〈披露目ひろめ〉でまとう豪華な衣装や黄金細工おうごんさいくの見事な装飾品そうしょくひんの数々。

湯浴ゆあみを終えたばかりの冬子の元へと運ばれ、その美しい素肌すはだへと合わせられていく。

ただでさえ極上の美しさをまとう冬子。その冬子が、ひとたび黄金色の衣装を見にまとう姿はまさに圧巻。

冬子の衣装の合わせを行うのは、唯一の側仕そばつかのコハク。冬子の身を見事に飾り立ては、そのさまにうっとりと相貌そうぼうゆるめる。

冬子の長くつややかな黒檀色こくたんいろの髪は軽くゆわかれ、かし細工さいくの黄金の髪飾りでいろどる。

更には、冬子の華奢きゃしゃな首や腕にも美しい黄金細工おうごんさいくの装飾品が合わせられていく。美しきはなには、豪華な飾りが良く似合う。

みずからが飾り立てながらも、冬子のあでやかなさまに、側仕そばつかえのコハクも心がおどる。

あまりの冬子の美しさに「ほぅ……!」と思わず溜息ためいきこぼすコハク。

「あまりにもお美しい姫君のあでやかさに、すでにコハクは酔わされております。姫君はいつもわたくし魅了みりょうする。黒曜こくようの姫君、どうか私にご慈悲じひをー……」

恍惚こうこつな表情で、冬子のなめらかな手を両手で包み込むコハクは、まるで強請ねだるように言葉をつむぐ。

「ふふっ、その琥珀色こはくいろの瞳は、いつ見てとても綺麗きれいねー……まるで吸い込まれそうに美しいから、私の方こそせられる。美しい私のコハクー……」

冬子もうっとりと言葉を返す。

一体どちらがせられているのかー……。

互いに見つめ合う二人の間に流れる空気が、一瞬で色香いろか漂うものへと変わる。

いつものごとく、常春とこはるの王が席を外している時は、どちらかともなく互いの唇を重ね合わせる。

くちゅりと互いの粘液が合わさる。

冬子よりも背の高いコハクは、冬子の細い腰をいだき、存分に口内をおかしては冬子の唇を味わう。

(ああっ、なんという美味びみなる唇ー……姫君との接吻せっぷんは甘くかぐわしい。黒曜こくようの姫君、貴女あなたわたくしを常に魅了みりょうする……!)

美しい冬子の唇を容赦なく奪うコハク。

美しいはならが互いに密着し、「秘事ひめごと」にいそしむ姿は、何ともつややかな異質な世界。

甘美かんびときに酔い知れるコハクは、美しく着飾る冬子のめたるところに、今まさに指を差し入れようとする。

その刹那せつなー。

「だめだよ、コハク。それはいけないよ。美しい姫をいだくのもけがすのもあるじとオレらだけー」

冬子とコハクの「秘事ひめごと」を察するかのように、一足先に現れたリョク。冬子をコハクから奪い返すなり、いきなりコハクの目の前で、冬子の蜜壺へと指をすべらせ穿うがつ。

「あっ、やぁっ……!」

小さく悲鳴をらす冬子に構うことなく、リョクは冬子の蜜壺みつつぼを指で幾度もねくり回す。

冬子の蜜壺みつつぼから抜き出されたリョクの指先には、冬子の淫靡な汁がねっとりと絡まり、それを平然とその舌でめ取る卑猥ひわいなリョク。

「ふふっ、やはりれている。いけない子だよね、トウコはー……しかもこれ程に多量のみつらして、余程に魔羅まらが欲しいとみえるー……まさに淫靡いんびはなだ。側仕そばつかえのコハクにさえ欲情し、その色香で誘うとはね。ふふっ、そんなトウコには仕置しおきが必要だ」

「リョク……!」

仕置しおきと云う言葉に、冬子の身体からだ強張こわばる。

以前のけもの常春とこはるの王を思い出した冬子は、「リョク、いや……」と弱々しい声音こわねらす。

震える冬子に、リョクは事も無げに云う。

「……トウコ、これはあるじからの贈り物だよ」

小瓶こびんを取り出し、それを口に含むリョクは、すぐさま冬子の唇をふさぐと無理やりを流し込む。

リョクに唇を塞がれ、無理やりを流し込まれた冬子の身体からだは、すぐさま熱におかされ、血が沸き立ち、それは全身へと広がりを見せる。

「あっ、あああっ……ああっ! あっ、ああっ……!」

速攻性の媚薬びやくを飲まされる冬子。一気に欲情に火がつく。

(ああっ、あっ……だめっ、ああっ、気持ち良いー……)

途端に色香いろかあふれさせ、淫靡いんびはなを咲かせる冬子。

リョクは着飾るままの冬子をその胸に抱き上げ、常春とこはるの王とハルが待つ寝所へと向かう。そして冬子をゆっくりと寝台に下ろすなり、冬子を膝立ひざだちのまま立たせ、その両手は天井へと吊るし上げては、裸体にさらす。

あの日以来の仕置しおきが始まる。

常春とこはるの王に隠れては、コハクと「秘事ひめごと」を繰り返す冬子。改めて冬子が「誰のもの」であるのかを、今一度いまいちど身体からだに刻み込む為の仕置しおき。

「姫ー……」

えて「トウコ」とは真名まなで呼ばずに「姫」と呼ぶ常春とこはるの王。それは容赦のないことを示す。

けものな王らが再び目を覚まし、降臨こうりんする。

「あっ! ああっ……! いやぁー……!」

全ての淫靡いんびな穴は荒ぶる魔羅まらで塞がれ、狂う程にぐちゅぐちゅと犯される続ける冬子。その狂乱きょうらん仕置しおきは、夜が明けるまで休む間も無くされる。





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