2 / 17
2・パワースポット
しおりを挟む
OL生活も板についてきた。苦手だった男性も、地味眼鏡のこの姿なら、何とか日常会話くらいならこなせる。会社の男性は普通の大人ばかりで、スカートめくりもされないし、お馬鹿◯んこ発言もない(当たり前だ!)ので、穏やかに過ごせる。
会社がお休みのある週末、高校の時の友達の里穂と、パワースポットに行ってみようという話になり、とある神社にお詣りに行く事になった。
途中、ナンパの男性達に声をかけられたりもしたが、里穂が上手くかわしてくれていた。
里穂は彼氏持ちで、私が男嫌いなのを知っているから話が早くて助かる。
そうこうしているうちにパワースポットの巣窟である神社の境内に着いた。
「怜奈、ここにある池や洞窟、すべてに何らかの力があるらしいよ?」
「うん、実は私も調べて来たんだ。洞窟内にある神木に触って、心の安定や、社会との調和の力を貰って、対人スキルを上げようと思ってね。」
「怜奈、男嫌いだったもんね。」
「うん、やっぱり社会人としてまずいからね」
「じゃあ、そこ最後にして、順番に回って行こう!」
「そうだね。」
私達は、それぞれのスポットの説明をよく読んで、じっくりと回って歩いた。根が単純に出来ているのか、体は癒やされ軽くなっている気がした。
そして、最後のスポット洞窟内に入った。洞窟と言っても狭く、奥に神木が洞窟を突き破るように伸びている。
まず、手前の湧き水で手を洗うと書いてあった。穢れを祓い、二度と寄せつけないようになるらしい。次に、真ん中にある岩に触れると、更に災難から守られるのだという。
最後は奥の神木に触れて、心を安定させ、周りと調和させられれば、今日の目的完了だ。
「この神木に触ればいいのね。」
そう言ってまず友達の里穂が神木に触れた。
「うーん、効いてきた気がする。」
里穂もかなり単純だ。
「私も触れてみるね。」
そう言って手を伸ばすと、急に神木が光り、木の中に吸い込まれるような感覚がして意識が遠退いていった。
「怜奈っ!?」
消えゆくなか、里穂の声を聞いたような気がした。
─────
・・・
「あれ、私、一人でパワースポット来たんだっけ?……誰かと来たような気がするけど、気のせいだよね。はぁ。……疲れてるのかな。
用は済んだし帰ろうっと。」
怜奈が消えた瞬間から、里穂の頭の中から怜奈の記憶だけがごっそり抜け落ちていた。
会社がお休みのある週末、高校の時の友達の里穂と、パワースポットに行ってみようという話になり、とある神社にお詣りに行く事になった。
途中、ナンパの男性達に声をかけられたりもしたが、里穂が上手くかわしてくれていた。
里穂は彼氏持ちで、私が男嫌いなのを知っているから話が早くて助かる。
そうこうしているうちにパワースポットの巣窟である神社の境内に着いた。
「怜奈、ここにある池や洞窟、すべてに何らかの力があるらしいよ?」
「うん、実は私も調べて来たんだ。洞窟内にある神木に触って、心の安定や、社会との調和の力を貰って、対人スキルを上げようと思ってね。」
「怜奈、男嫌いだったもんね。」
「うん、やっぱり社会人としてまずいからね」
「じゃあ、そこ最後にして、順番に回って行こう!」
「そうだね。」
私達は、それぞれのスポットの説明をよく読んで、じっくりと回って歩いた。根が単純に出来ているのか、体は癒やされ軽くなっている気がした。
そして、最後のスポット洞窟内に入った。洞窟と言っても狭く、奥に神木が洞窟を突き破るように伸びている。
まず、手前の湧き水で手を洗うと書いてあった。穢れを祓い、二度と寄せつけないようになるらしい。次に、真ん中にある岩に触れると、更に災難から守られるのだという。
最後は奥の神木に触れて、心を安定させ、周りと調和させられれば、今日の目的完了だ。
「この神木に触ればいいのね。」
そう言ってまず友達の里穂が神木に触れた。
「うーん、効いてきた気がする。」
里穂もかなり単純だ。
「私も触れてみるね。」
そう言って手を伸ばすと、急に神木が光り、木の中に吸い込まれるような感覚がして意識が遠退いていった。
「怜奈っ!?」
消えゆくなか、里穂の声を聞いたような気がした。
─────
・・・
「あれ、私、一人でパワースポット来たんだっけ?……誰かと来たような気がするけど、気のせいだよね。はぁ。……疲れてるのかな。
用は済んだし帰ろうっと。」
怜奈が消えた瞬間から、里穂の頭の中から怜奈の記憶だけがごっそり抜け落ちていた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
82
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる