共有させて、ワカハちゃん
東京の進学校から、信号機すらまともにない超田舎の高校へ転校してきた佐藤。そこで彼が出会ったのは、キャベツ畑の中で鋭いカポエイラの舞(ジンガ)を繰り出し、情緒豊かな短歌を詠み上げる美少女・ワカハだった。
この村には、都会の常識では考えられない「お返し」という風習があった。何かを手伝ってもらったり、恩義を感じたりした際、女子が男子に対して性的奉仕を含む「癒やし」を提供することが、挨拶や握手と同じくらい自然な日常として共有されているのだ。
ワカハはその美貌と献身的な性格から、クラス男子全員の「共有の宝物」のような存在だった。彼女に一目惚れし、都会的な独占欲を持つ佐藤は、彼女が他の男子に「お返し」をする姿を見るたびに、脳内で悶絶と嫉妬を繰り返すことになる。
豊作祈願祭での逃避行、林間学校での夜のメンバー交換、そして文化祭のバニー喫茶……。佐藤とワカハは何度も決定的な一線を越え、体温を重ね合う。しかし、ワカハにとってそれはあくまで「特別なサービス」や「お礼」の延長線上に過ぎず、翌朝にはケロリと「普通のクラスメイト」に戻ってしまう。
「一線を越えても恋人になれない」というもどかしいルールの中で、佐藤はワカハを「みんなのもの」から「自分だけの恋人」にするために奮闘する。一方、ワカハの心にも、佐藤の必死な執着に触れることで、これまで知らなかった「独占」への感情が少しずつ芽生え始めていた。
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