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そして全能神は愉快犯となった
【171話】
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☆夜☆
2日続けて同じ宿に泊まる。
部屋に個人風呂はついていないが、家族風呂があるので互いに誰に肌も見せる事は無い。
それに十二分に相手の裸体を堪能できる。
「……ほぅ」
「どうしたルーク溜息を吐いて?」
「サイヒの裸体が完璧すぎて魅入ってしまう」
「20年も同じ裸を見ているのに?」
「私はサイヒに飽きたことなど1度もないぞ!」
「ふふ、私もルークの身体が好きだぞ」
「でも私は兄上やクオンの様に逞しくないぞ?身長だってそれ程高くないし、筋肉も付きにくい体質だし……」
ルークは湯船に鼻先まで沈んでブクブクと湯の中で息を吐き出す。
「私は女にしたら背は高い方だな。胸と尻がデカいから華奢なものや可愛いデザインの服もに合わない。筋肉だって普通の女より多いから体重は平均体重よりかなり上だ。
私にしたら小さくて華奢で護ってあげたくなるような少女の方が好みだぞ?」
「サイヒは私が華奢だから好みなのか?」
「華奢で好みなのは女性に対してだけだ。ルークなら、出会った頃の骨と皮だけみたいだった体形でも私は嫌では無いよ。ルークなら、何でも良い。だから変なコンプレックスはもつなルーク」
サイヒがルークの頬を手で挟み、唇を寄せる。
何度も角度を変えて口付ける。
途中からルークは全身真っ赤になって意識が朦朧として来た。
熱い湯に浸かっているにもかかわらず、体に熱を火照らせるとんでもないテクニックのサイヒからのキス。
キスに夢中になぅっているサイヒはルークがかくり、と体から力が抜けるまで気付かなかった。
全能神もキスの誤りだ。
意識の失ったルークの寝る支度を全てしてやり、サイヒは布団にルークを寝かせる。
まだ火照った頬で、顔はふにゃりと締まりのない笑顔を浮かべている。
何か幸せな夢を見ているのか、先ほどのキスの続きを夢見ているのか。
どちらにせよその穏やかなルークの顔はサイヒは自分の心が癒されるのが分かる。
「ルークに対してはもう何もかも許容できたし納得も理解も出来ていると思っていたのだがなぁ…意外と私は往生際が悪い性質だったらしい………」
掛け布団を持ち上げ、サイヒはルークの隣に入る。
すぐにルークがサイヒに抱き着く。
「さいひのにおいだ…わたしの、すきなにおい………」
首筋に鼻先を埋めてルークはサイヒの香りを堪能しながら再び眠りに入った。
無意識レベルでルークは何時でもサイヒを求めている。
まるで酸素の様にその存在が無いと呼吸も出来ないくらい自然にそこにあるのが当然の様に、互いの事を必要としている。
同時にまだ恋をしている。
勿論愛しているが、恋が愛に昇華したのではなく、愛しながらも恋を続けているのだ。
「もし、私とお前が――――――………」
サイヒはルークの頬を指先で撫で上げ、そうして1つの神術を行使したのであった。
2日続けて同じ宿に泊まる。
部屋に個人風呂はついていないが、家族風呂があるので互いに誰に肌も見せる事は無い。
それに十二分に相手の裸体を堪能できる。
「……ほぅ」
「どうしたルーク溜息を吐いて?」
「サイヒの裸体が完璧すぎて魅入ってしまう」
「20年も同じ裸を見ているのに?」
「私はサイヒに飽きたことなど1度もないぞ!」
「ふふ、私もルークの身体が好きだぞ」
「でも私は兄上やクオンの様に逞しくないぞ?身長だってそれ程高くないし、筋肉も付きにくい体質だし……」
ルークは湯船に鼻先まで沈んでブクブクと湯の中で息を吐き出す。
「私は女にしたら背は高い方だな。胸と尻がデカいから華奢なものや可愛いデザインの服もに合わない。筋肉だって普通の女より多いから体重は平均体重よりかなり上だ。
私にしたら小さくて華奢で護ってあげたくなるような少女の方が好みだぞ?」
「サイヒは私が華奢だから好みなのか?」
「華奢で好みなのは女性に対してだけだ。ルークなら、出会った頃の骨と皮だけみたいだった体形でも私は嫌では無いよ。ルークなら、何でも良い。だから変なコンプレックスはもつなルーク」
サイヒがルークの頬を手で挟み、唇を寄せる。
何度も角度を変えて口付ける。
途中からルークは全身真っ赤になって意識が朦朧として来た。
熱い湯に浸かっているにもかかわらず、体に熱を火照らせるとんでもないテクニックのサイヒからのキス。
キスに夢中になぅっているサイヒはルークがかくり、と体から力が抜けるまで気付かなかった。
全能神もキスの誤りだ。
意識の失ったルークの寝る支度を全てしてやり、サイヒは布団にルークを寝かせる。
まだ火照った頬で、顔はふにゃりと締まりのない笑顔を浮かべている。
何か幸せな夢を見ているのか、先ほどのキスの続きを夢見ているのか。
どちらにせよその穏やかなルークの顔はサイヒは自分の心が癒されるのが分かる。
「ルークに対してはもう何もかも許容できたし納得も理解も出来ていると思っていたのだがなぁ…意外と私は往生際が悪い性質だったらしい………」
掛け布団を持ち上げ、サイヒはルークの隣に入る。
すぐにルークがサイヒに抱き着く。
「さいひのにおいだ…わたしの、すきなにおい………」
首筋に鼻先を埋めてルークはサイヒの香りを堪能しながら再び眠りに入った。
無意識レベルでルークは何時でもサイヒを求めている。
まるで酸素の様にその存在が無いと呼吸も出来ないくらい自然にそこにあるのが当然の様に、互いの事を必要としている。
同時にまだ恋をしている。
勿論愛しているが、恋が愛に昇華したのではなく、愛しながらも恋を続けているのだ。
「もし、私とお前が――――――………」
サイヒはルークの頬を指先で撫で上げ、そうして1つの神術を行使したのであった。
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