ふしぎ京都クロスライン―壬生の迷子と金平糖―

【完結済】

沖田総司を拾ってしまった。

それもこれも、わたしが引き寄せ体質なせいだ。
百数十年の時の彼方からこの現代へ、沖田総司を呼び付けてしまった――。

京都は学生街の一角にある「御蔭寮《みかげりょう》」で、わたしと彼らの奇妙な日常生活が始まった。

***

わたし、こと浜北さな。
休学中の大学院生、将来は未定。

沖田総司。
新撰組一番隊組長、病で休職中?

切石灯太郎。
古い石灯籠の付喪神。

巡野学志。
大学に居着いていた幽霊。

***

風も冷たくなってきた十一月の京都で、わたしと沖田は言葉を交わした。
これは、途方に暮れた迷子が再び道を探し始めるまでの物語。
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