白昼の花火———戦争で死ぬあなたに恋をした———
昭和二十年、東京。
大空襲の夜、看護婦の小夜が運び込まれた負傷兵を見た瞬間、手が止まった。
度重なる空襲で焼け野原となった街で、若い看護婦・小夜は、崩れかけた病院の一室で負傷兵たちの手当を続けていた。
包帯は足りず、薬もない。水も灯りも十分ではない。それでも彼女は、目の前の命を救おうと手を動かす。
かつて想いをよせあっていた寄せ合っていた青年・龍之介は出征し、それきり消息が途絶えていた。生きているのか、もうこの世にいないのか、それすら分からない。
ある夜、重傷の兵士が運び込まれる。
顔は煤と血で判別がつかず、意識もない。名も告げられぬまま、彼女はいつも通り処置を施す。
包帯を替え、傷口を洗い、弱くなる呼吸を必死に繋ぎ止めようとする。
兵士は目を開けることなく、そのまま息を引き取る。
後処理のために認識票を確認した瞬間、彼女の手は止まる。
そこに刻まれていたのは——かつて愛した男の名前だった。
焼け跡に立つ彼女の手には、返されることのない彼の認識票が残されている。
戦火の中で、2人はなぜ出会い、愛し合ったのか。
いま、生きていることが当たり前ではない。
どうか沢山の方に届いて欲しい2人の純愛ラブストーリーです。
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