聖女を追放した国は、私が祈らなくなった理由を最後まで知りませんでした

この国では、人の悪意や欲望、嘘が積み重なると
土地を蝕む邪気となって現れる。

それを祈りによって浄化してきたのが、聖女である私だった。

派手な奇跡は起こらない。
けれど、私が祈るたびに国は荒廃を免れてきた。

――その役目を、誰一人として理解しないまま。

奇跡が少なくなった。
役に立たない聖女はいらない。

そう言われ、私は静かに国を追放された。

もう、祈る理由はない。
邪気を生み出す原因に目を向けず、
後始末だけを押し付ける国を守る理由も。

聖女がいなくなった国で、
少しずつ異変が起こり始める。

けれど彼らは、最後まで気づかなかった。

私がなぜ祈らなくなったのかを。
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