異世界ヒーローレッド! ……の俺が、なぜか、魔王の力で、無双する ~でも、俺が作りたいのは最強のヒーロー戦隊です~
幼い頃から、俺の心を掴んで離さなかったもの……毎週日曜日の朝、色とりどりのスーツで、大きな夢と希望をくれる、特撮ヒーローたちだ。
しかし、
現実はあまりに平凡で、退屈だった。
やりがいのない仕事をこなし、ただ漠然と日々を過ごす。そんな灰色の日常の中で、ヒーローたちの物語だけが、俺に「理想」と「正義」、そして「美学」を教えてくれた。
変身ポーズの角度、名乗りの口上、必殺技を放つ前のタメ、そして、どんな逆境でも決して揺るがない、その生き様。俺は、そんな完璧な「ヒーロー像」に憧れ続けた、ただのオタクだった。
そんな俺の人生が、唐突に、そしてあまりにも劇的に終わりを迎えたのは、ある雨の日のことだ。
目の前に飛び出した子供。鳴り響くブレーキ音。考えるより先に、体が動いていた。誰かを助けるなんて、人生で初めてのことだった。全身を砕く衝撃の中、俺は「ああ、最後だけ、ヒーローになれたのかな」と、ぼんやり思った。
次に目覚めた時、俺は神を名乗る存在の前にいた。
「君の自己犠牲と、魂に刻まれた“ヒーローになりたい”という純粋な願いに、選択肢を与えよう」
――その言葉に、俺は迷わず、憧れ続けたヒーローになることを選んだ。
神から与えられたのは、変身能力と、倒した敵の能力を吸収する【USB】という力。
そして、チュートリアルとして手に入れたのは、この世界のバランスを破壊しかねない【魔王】の絶大な能力だった。
最強の力を手に、理想のヒーローになるべく異世界に降り立った俺。
……だが、俺を待っていたのは、数々の試練(という名の残念な現実)だった。
最強の力は、ヒーローが使うにはあまりに禍々しく、「カッコ悪い」から封印せざるを得ない。
初めて出会った仲間は、鉄壁の防御力を誇るが、頭の中は常に食べ物のことしかない超絶マイペースな盾職人。
次に出会った仲間は、天才的な魔法の使い手だが、借金を抱え、常にコストパフォーマンスばかり気にする卑屈なツンデレ魔術師。
これは、理想のヒーロー像を追い求める、一人の特撮オタクが、プロデューサーとして、この残念で、ちぐはぐで、だけどどこか憎めない仲間たちと共に、理想の「ヒーロー戦隊」を作り上げようと奮闘する、そんな物語である。
※この小説は複数の投稿サイトで掲載しています。
しかし、
現実はあまりに平凡で、退屈だった。
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