全知無能の翻訳家ナツメの憂鬱
野良犬に追われた棗理杜(なつめ りと)が逃げ込んだ空き地のプレハブ小屋。そこは何故か異世界へと繋がっており、彼はそこで謎の物体を発見する。
物体の傍にあった台座に刻まれていた文字は異世界の言葉。異世界転移モノじゃ言葉が理解できるのはお約束だと何の気なしにその文章を読み上げると──物体から一人の幼女が現れた。
幼女は理杜を「お父さん」と呼び、片時も離れようとしない。そんな幼女を我が物にしようと理杜に迫るのは、世界中の一攫千金を夢見る冒険者に権力を欲する各国の領主に王族。更には人類と敵対する人ならざるモノたち。『ニル』と呼ばれるこの幼女には、何やら世界中の人々が欲する『秘密』があるようだ──?
武芸の腕なし魔法もてんでダメ、あるのは異世界転移じゃ当たり前の『異世界語理解能力』だけ。理杜はその『古代語魔法文字魔物の言葉すら理解できる』能力を生かして「どんな言語でも翻訳します」を売り文句にした翻訳家として起業し、『翻訳家ナツメ』を名乗り始めた。人々にとって必要不可欠な人材となり、日本に帰るその日までの平穏な生活を保障してもらうために。
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