西風が運ぶ白い便り
雨上がりに咲く白い花、ゼフィランサス。
その村には、最初に咲いた花へ願いを告げると、西風が大切な人のもとへ想いを運んでくれるという言い伝えがあった。
小さな郵便局で働く澪には、七年間ずっと書けないままの手紙がある。宛先は、村を離れた幼なじみの悠真。
何度も言葉にしようとして、それでも書けなかった想い。
ある九月の朝、雨上がりの石垣に一輪のゼフィランサスが咲く。
「悠真に、会いたい」
澪が初めて花へ本心を託したその日、一通の手紙が届いていた。
差出人は、朝倉悠真。
「汚れなき愛」「便りがある」「期待」。
ゼフィランサスの花言葉と古い言い伝えをモチーフに描く、届かなかった言葉が七年の時を越えて動き出す、やさしく切ない再会の恋物語。
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