悪役令嬢と呼ばれたので、今日から本気で悪役をやります
「イヴリン・ダーンリー。おまえのような悪女と、私は結婚できない」
星降りの夜会で、わたくしは婚約者である王太子殿下から、そう申し渡されましたの。悪女。傲慢。人の心がない女。――ええ、この三年、ずっとそう呼ばれてまいりましたわ。身に覚えは、ひとつもございませんけれど。
けれど、そこまでおっしゃるのでしたら。
「承知いたしましたわ。では今日から――本気でやらせていただきます」
わたくしが握っているのは、王国でいちばん値の張る招待状と、王都の商いの半分を支える融資の帳簿。そして、嘘をひとつもつかないという、たいへん質の悪い信条ですの。
嘘は申しませんわ。ただ、本当のことだけを、いちばん効く順番で。
面白がって札を配る賭場の主に、なぜか毎晩見張られながら。悪役令嬢、本日より開業いたしますの。
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