万年Dランクのおっさん、ギルドの修理係をクビになったので辺境の廃村で修理屋を始めます ~直した古代ゴーレムと拾った竜の卵が規格外すぎる件~
「修理なんて、新品を買えば済む話だろう?」 城塞都市ヴァレンの冒険者ギルドで二十年、壊れた武具をひたすら直してきた修理係のトーマ(三十八歳・万年Dランク)。 新しく来た若いギルドマスターに「無駄な経費」と言われ、彼はあっさりクビになった。 誰も知らなかった。スキル〈修繕〉は物を「作られたときの、本来の姿」に戻す力であり、ヴァレンを守る結界石を二十年支えてきたのが、このおっさんだったことを。 退職金の金貨三枚で買ったのは、魔物の森に呑まれた辺境の廃村。 崩れた家を直し、涸れた井戸を直し、村の祠に眠っていた壊れた古代ゴーレムを直したら――「おはようございます、マスター。三百年ぶりの起動です」。 ひび割れた竜の卵まで直してしまい、ふわふわの竜の子に懐かれ、行き場のない人々が集まって、廃村はいつの間にか辺境でいちばん頑丈な村になっていく。 一方そのころ、修理係を失ったヴァレンでは、剣が折れ、鎧が裂け、街を守る結界に、ひびが入り始めていた。
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