介護士探偵 佐藤 明
元刑事の佐藤明は、ある事件をきっかけに警察を辞め、介護施設「夕陽の丘」で介護士として働いていた。穏やかな日々が続く中、入居者の鈴木幸子から「部屋から大切な写真が消えた」と相談を受ける。些細な出来事と思いながらも、職業病で調査を始める明。
やがて施設に元警察官の高橋源一が入居し、明の前職を知った彼から「この施設には何か秘密がある」と告げられる。同時期、3年前に施設で亡くなった母親の死に疑問を持つ加藤裕子が訪れ、明に調査を依頼する。
看護師長の田中美咲と若手介護士の中村真理、同僚の小林大輔らの協力を得ながら調査を進める明。施設の記録に改ざんの形跡を発見し、複数の入居者の不審な死亡例が浮かび上がってくる。
しかし、施設長の山本健太郎は明の行動に警告し、調査は困難を極める。そんな中、施設周辺で不審な行動をとる斎藤和彦という男の存在に気づく明。彼は元精神科医で、かつてこの土地にあった精神科病院と関係があった。
地元記者の松本誠から、施設建設時のトラブルについて知らされた明は、地元不動産業者の藤田剛を訪ね、この土地の過去を探る。そこで判明したのは、現在の介護施設が建つ前にあった精神科病院での非人道的な実験と、それを隠蔽するために病院が解体された事実だった。
調査が進むにつれ、明たちは危険にさらされる。明の部屋は荒らされ、真理は脅迫を受け、源一は突然容態を悪化させる。施設内での明への風当たりも強まるが、美咲だけは彼を信じ続ける。
やがて、斎藤が元精神科病院の患者だったこと、そして山本施設長がかつての病院と関わりがあったことが発覚する。さらに、施設の地下から発見された古い医療器具と、幸子の失くした写真が事件の核心を指し示していた。
事務員の渡辺静香が保管していた重要書類と、嘱託医の木村哲也から得た医療記録により、山本施設長が過去の罪を隠すために入居者に薬物を投与し、死に追いやっていた全容が明らかになる。
最終的に明は山本と対決し、彼の犯罪を暴く。しかし山本は最後の抵抗として美咲と真理を人質にとる。元同僚の伊藤刑事、大輔、そして意外にも斎藤の協力を得て、明は二人を救出し、山本を警察に引き渡すことに成功する。
事件解決から半年後、新たな施設長となった美咲のもと、「夕陽の丘」は生まれ変わる。明は介護士として働きながらも、時に施設内外で起きる小さな謎を解決する「介護士探偵」として、高齢者たちの平穏な暮らしを守り続けていく。
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