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ドスケベ祓魔師
不穏 ※
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ルカを抱きかかえたまま自宅へと戻る途中、ごめんなさい、と泣き続ける彼に何故魔力を使って逃げなかったのかと問うと、リヒトの使い魔が騒動を起こしたらリヒトに迷惑がかかる、リヒトの負担になりたくなかった、などとまたしても悪魔らしからぬことを言ってくれる彼に愛しさが募る。
俺は大丈夫だから、頼むから自分を大事にしてくれ、と伝えれば、彼はまたごめんなさいと言って涙を流した。
帰宅後、男の唾液で汚された身体をシャワーで清めてやり、ふわふわのタオルで包んで寝室へと運び、そっとその身体をベッドに横たえて、確かめるように優しく撫でさする。
「ルカ、どこか痛いところとかない?」
「うん、大丈夫。リヒトがすぐに来てくれたから…」
「間に合って良かった。心配したよ、本当に」
「…ごめんなさい」
「言ったでしょ?悪魔でもルカみたいないい奴がいるのとは反対に、人間だってああいう悪いやつがいるんだ。ルカは人間として過ごしてフェロモンを隠してる時でも充分魅力的なんだから、気を付けないと駄目だよ?」
「…ごめんなさい」
「うん。分かってくれたならいいよ。もう、謝るのはおしまい。兎に角無事で良かった」
「…ありがとう」
目を閉じてキスをねだる彼の唇を塞ぎ、舌を絡め、髪を梳いてやれば、ウットリとした表情で舌を絡め返してくるのが堪らなく可愛い。
ちゅくちゅくと濡れた音を立てて口の中を掻き回し、彼の唇の端から飲み込みきれなかった唾液が伝う頃、漸くその唇を解放した。
「……ん……ねぇ、リヒト...」
「なに?」
「...さっき、助けに来てくれた時。おれのこと恋人だって言ってくれたけど……、あれって、本当?」
「……え?」
思いがけない台詞に少し動揺する俺を他所に、彼は続ける。
「おれね、リヒトのことが好きなの。多分、初めて会ったあの夜からずっとずっと好き。
前にね、裏のおばあちゃんが言ってたの。一緒にいるとあったかい気持ちになって、でもドキドキして、色々してあげたくなって、ずっとそばにいたい人同士のことを恋人って言うんだよ、って。
...それって、おれにとってのリヒトのことだなって思った。
だけどそれはおれが勝手に思ってるだけだから、リヒトもおれのことを好きになってくれて、ただの使い魔としてじゃなくて恋人としてそばにいれたらいいのにって思ってたの。
でも、おれは悪魔でリヒトは人間だから、そんなの迷惑かなって思って言えなくて…。
だからね、恋人って言ってくれて嬉しかったの」
思いがけないルカからの熱烈な愛の告白に、全身が熱くなる。
それと同時に、「…ねぇ、リヒトは、おれのこと、好き?」そう聞かれてハッとした。
恋人同士になったとしても何も変わらないだなんて、そんなのは間違いで。
今までの関係と決定的に変わることがあると気付かされた。
それは、お互いにお互いを想い合い、身体だけでなく心から繋がれるということ。
人間である俺がそんな大切なことに気付けず、悪魔であるルカがずっとそれを望んでくれていただなんて、チグハグ過ぎてなんだかちょっと笑えてきた。
「……?どうして笑ってるの?」
「んーん、なんでもない。何度も言うけどお前は本当に悪魔らしくないね...そんなところが、すごく愛しい。
…俺も好きだよ、ルカのこと。悪魔なのに純粋で、何事にも一生懸命で街の人達から愛されてるルカのことが、出会ってすぐの頃から愛しくて堪らなかった。
言うのが遅くなってごめんね。これからは使い魔としてだけじゃなくて、恋人としてそばにいて欲しい」
顔中にキスの雨を降らせながら想いを伝えると、綺麗な涙をぽろぽろと零しながら嬉しそうに笑ったその顔があまりにも綺麗で。
もう一度貪り合うようなキスを交わし、恋人になって初めて、身体を重ねた。
「あ……ぁ……ぁ……っ、や、なん、か、へん、っ」
「ん……ねぇ、どうしたの?ルカのここ、いつもよりすごい濡れてるしめちゃくちゃ甘い…」
「や……言わないで、わかんない……こわい……っ」
「大丈夫、怖くないよ。気持ちいいんでしょ?いっぱいしてあげるから、いっぱい声出して。気持ちよくなってるとこ、俺に見せて?」
想いが通じ合ってするそれは、今まで以上に刺激的で、ひどく幸せだった。
それはルカも同じなのかいつにも増して敏感で、どこに触れても聞いたことの無い甘い声で鳴いているし、身体も、体液も、元々甘くて美味しいのに今までの中で一番美味しくて、とぷとぷと絶えず溢れ出してくるそれを一滴も零さぬよう、大きく口を開けてべっとりと宛がった舌で、じゅるじゅると音を立てて啜った。
そして前戯だけで何度もイッたルカに、ぐすぐすと泣きながら「もぉいれて」とねだられて、火傷しそうなほど熱く、ぐしょぐしょに濡れたそこに性器を挿入すると、可愛らしい鳴き声の合間に何度も好き、と告げられて。
俺も堪らない気持ちになって何度も可愛い、愛してると囁き、その身体を激しく揺さぶった。
こんな幸せがいつまでも続けばいい、そう願いながら。
──痛い程静かな夜の闇に、断末魔の叫びが響く。
「…また、一体。うん。順調、順調」
一人の男が、真っ黒な羽根を散らし消えていく悪魔の傍らに佇み、不敵な笑みを浮かべていた。
俺は大丈夫だから、頼むから自分を大事にしてくれ、と伝えれば、彼はまたごめんなさいと言って涙を流した。
帰宅後、男の唾液で汚された身体をシャワーで清めてやり、ふわふわのタオルで包んで寝室へと運び、そっとその身体をベッドに横たえて、確かめるように優しく撫でさする。
「ルカ、どこか痛いところとかない?」
「うん、大丈夫。リヒトがすぐに来てくれたから…」
「間に合って良かった。心配したよ、本当に」
「…ごめんなさい」
「言ったでしょ?悪魔でもルカみたいないい奴がいるのとは反対に、人間だってああいう悪いやつがいるんだ。ルカは人間として過ごしてフェロモンを隠してる時でも充分魅力的なんだから、気を付けないと駄目だよ?」
「…ごめんなさい」
「うん。分かってくれたならいいよ。もう、謝るのはおしまい。兎に角無事で良かった」
「…ありがとう」
目を閉じてキスをねだる彼の唇を塞ぎ、舌を絡め、髪を梳いてやれば、ウットリとした表情で舌を絡め返してくるのが堪らなく可愛い。
ちゅくちゅくと濡れた音を立てて口の中を掻き回し、彼の唇の端から飲み込みきれなかった唾液が伝う頃、漸くその唇を解放した。
「……ん……ねぇ、リヒト...」
「なに?」
「...さっき、助けに来てくれた時。おれのこと恋人だって言ってくれたけど……、あれって、本当?」
「……え?」
思いがけない台詞に少し動揺する俺を他所に、彼は続ける。
「おれね、リヒトのことが好きなの。多分、初めて会ったあの夜からずっとずっと好き。
前にね、裏のおばあちゃんが言ってたの。一緒にいるとあったかい気持ちになって、でもドキドキして、色々してあげたくなって、ずっとそばにいたい人同士のことを恋人って言うんだよ、って。
...それって、おれにとってのリヒトのことだなって思った。
だけどそれはおれが勝手に思ってるだけだから、リヒトもおれのことを好きになってくれて、ただの使い魔としてじゃなくて恋人としてそばにいれたらいいのにって思ってたの。
でも、おれは悪魔でリヒトは人間だから、そんなの迷惑かなって思って言えなくて…。
だからね、恋人って言ってくれて嬉しかったの」
思いがけないルカからの熱烈な愛の告白に、全身が熱くなる。
それと同時に、「…ねぇ、リヒトは、おれのこと、好き?」そう聞かれてハッとした。
恋人同士になったとしても何も変わらないだなんて、そんなのは間違いで。
今までの関係と決定的に変わることがあると気付かされた。
それは、お互いにお互いを想い合い、身体だけでなく心から繋がれるということ。
人間である俺がそんな大切なことに気付けず、悪魔であるルカがずっとそれを望んでくれていただなんて、チグハグ過ぎてなんだかちょっと笑えてきた。
「……?どうして笑ってるの?」
「んーん、なんでもない。何度も言うけどお前は本当に悪魔らしくないね...そんなところが、すごく愛しい。
…俺も好きだよ、ルカのこと。悪魔なのに純粋で、何事にも一生懸命で街の人達から愛されてるルカのことが、出会ってすぐの頃から愛しくて堪らなかった。
言うのが遅くなってごめんね。これからは使い魔としてだけじゃなくて、恋人としてそばにいて欲しい」
顔中にキスの雨を降らせながら想いを伝えると、綺麗な涙をぽろぽろと零しながら嬉しそうに笑ったその顔があまりにも綺麗で。
もう一度貪り合うようなキスを交わし、恋人になって初めて、身体を重ねた。
「あ……ぁ……ぁ……っ、や、なん、か、へん、っ」
「ん……ねぇ、どうしたの?ルカのここ、いつもよりすごい濡れてるしめちゃくちゃ甘い…」
「や……言わないで、わかんない……こわい……っ」
「大丈夫、怖くないよ。気持ちいいんでしょ?いっぱいしてあげるから、いっぱい声出して。気持ちよくなってるとこ、俺に見せて?」
想いが通じ合ってするそれは、今まで以上に刺激的で、ひどく幸せだった。
それはルカも同じなのかいつにも増して敏感で、どこに触れても聞いたことの無い甘い声で鳴いているし、身体も、体液も、元々甘くて美味しいのに今までの中で一番美味しくて、とぷとぷと絶えず溢れ出してくるそれを一滴も零さぬよう、大きく口を開けてべっとりと宛がった舌で、じゅるじゅると音を立てて啜った。
そして前戯だけで何度もイッたルカに、ぐすぐすと泣きながら「もぉいれて」とねだられて、火傷しそうなほど熱く、ぐしょぐしょに濡れたそこに性器を挿入すると、可愛らしい鳴き声の合間に何度も好き、と告げられて。
俺も堪らない気持ちになって何度も可愛い、愛してると囁き、その身体を激しく揺さぶった。
こんな幸せがいつまでも続けばいい、そう願いながら。
──痛い程静かな夜の闇に、断末魔の叫びが響く。
「…また、一体。うん。順調、順調」
一人の男が、真っ黒な羽根を散らし消えていく悪魔の傍らに佇み、不敵な笑みを浮かべていた。
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