悪役令嬢として断罪? 残念、全員が私を庇うので処刑されませんでした

 豪奢な大広間の中心で、私はただひとり立たされていた。
 玉座の上には婚約者である王太子・レオンハルト殿下。その隣には、涙を浮かべながら震えている聖女――いえ、平民出身の婚約者候補、ミリア嬢。
 そして取り巻くように並ぶ廷臣や貴族たちの視線は、一斉に私へと向けられていた。
 そう、これは断罪劇。

「アリシア・フォン・ヴァレンシュタイン! お前は聖女ミリアを虐げ、幾度も侮辱し、王宮の秩序を乱した。その罪により、婚約破棄を宣告し、さらには……」
 殿下が声を張り上げた。
「――処刑とする!」

 広間がざわめいた。
 けれど私は、ただ静かに微笑んだ。

(あぁ……やっぱり、来たわね。この展開)
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