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エイデン君と私

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 それからというものの、私とエイデン君の折り合いは悪かった。幼馴染の間に割って入ったような、なわばりを侵害されたような感覚なのだろうか。
 それに、私の能力の低さも嫌われる原因の一つだったのだと思う。普通の子らだと思ったが、やはり二大家門とはバカには出来ず、エイデン君とアニッサの実力は桁違いにすごかった。
 クリフもまぁまぁ名のある家の出身なのだが、オーエン家の中でも新星だと言われており、エイデン君、アニッサに難なく着いていく。その中で四苦八苦しながら授業についていく私を何もかも器用にこなしていくエイデン君は大層毛嫌いした。
 そんな関係が続いて半年が経過した頃だ。



「…え…、私と、エイデン君で…、ですか?」
「あぁ。何度も言わせるな。」
「え…!私とエイデン君ですか!?」
「だからそうだと言ってるだろ。」

 次の課外実習のペアがまさかのエイデン君だった。今まではクリフかアニッサだったのに、だ。


「お前らもう少し仲良く出来んのか?」
「え~…、私に言われましても…。」

 半年たった今、もはや彼は私をハエでも見る様な目で見てくるし、呼び捨てにすんなって言うから未だ私は彼だけを君付で呼んでいる。

「……この半年間練習を重ねてきたが、お前は攻撃魔法・守備魔法のセンスはゼロだ。」
「うっ…。」
「だが、頑張ってる甲斐もあって魔道具を使えば何とかマシになる。」
「…あい…。」
「…で、だ。…そろそろエイデンと組ませても良いかと思ってな。」
「いや、脈絡…。意味わかりません。」
「あいつは戦闘スキルが桁違いだからな。」
「…?」


 確かに体術訓練の時のエイデン君の身のこなしはすごいと言うしかないし、攻撃魔法の授業の時なんて一人だけ群を抜いて威力を発揮している。だが、オデッセ先生の言っている意味が分からず私は小首を傾げる。


「巻き込まれて死ぬなよ。」
「…っ!!??」


(そういうことっ!?)


 じゃあペアにしないでよっ!と心の中で叫んだが、オデッセ先生は言いたいことを言い放つとすたすたと校舎に戻っていってしまった。今から不安しかない。

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