「毒女」と婚約破棄された転生令嬢、毒に怯える公爵様を毒抜き料理で骨抜きにします
「その報告書を撤回できないなら、婚約は破棄する」
毒のある草や茸ばかりを調べ歩く子爵令嬢クラリス・エルモンドは、社交界で《毒女》と呼ばれていた。食中毒の報告を撤回せよという婚約者の求めを断り、彼女は婚約を失う。
その日、滞在先に届いていたのは、グランヴィル公爵家からの雇用状だった。職名は《食卓安全調査官》。発行日は、婚約破棄より前——。
十年前、成人祝宴で前公爵夫妻が急死した。毒味役は無事で、料理からは活性のある毒が検出されなかった。生き残った現公爵レオナードは、自分で封を確かめた保存食しか口にできない。
クラリスの前世は、食品会社の品質保証部。万能鑑定も毒無効化魔法も持たない。あるのは、観察し、比較し、記録し、誰がやっても同じ結果になる手順へ落とす方法だけ。
「私を信じなくて結構です。信じなくても確認できる形にします」
《毒女》と蔑まれた令嬢が、毒に怯える公爵の食卓を取り戻していく。三か月限定、調査と料理の異世界恋愛。
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