破談を頼まれた身代わり見合いで、縁談嫌いの辺境伯と秘密の同盟を結びました
華やかな姉ディアナの陰で、いつも我慢を強いられてきたミルトン男爵家の次女クレア。
北方の辺境伯レオンハルトとの見合いを嫌がった姉は、クレアに命じた。身代わりに湖畔の別荘へ行き、相手の方から破談を言い出させてこい、と。
ところが待っていた辺境伯もまた、わざと不機嫌に振る舞ってクレアに断らせようとしていた。不器用な彼を偽名で騙すことができず、クレアは自分が次女であることも、破談のために来たことも正直に打ち明ける。
「お互いの平和を守るための、今日一日だけの『秘密の同盟』だ。どうだろう、クレア嬢。俺と手を組んでくれないか?」
仲人の伯母が来る夕方まで、見合いが順調なふりをする。最後には彼の方から円満に断る。破談前提のはずの一日は、白樺の並木道と湖畔の昼餉を過ごすうちに、少しずつ終わってほしくないものに変わっていく。
けれど夕方、別荘に乗り込んできたのは、辺境伯家への王宮の褒賞を知って掌を返した姉と両親だった。
「やっぱりここにいたのね、クレア! なんて恥知らずで恐ろしい子なの!」
嘘から始まった一日限りの同盟が、本当の約束に変わるまでの物語。
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