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188.壊れる壁、丸見えの外
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やっと攻撃が止まったのは、それから少し経ってからでしたお。お屋敷を守ってくれている結界には、あちこちヒビが入っちゃってます。遠くから見てるから、よく窓に石が当たって、蜘蛛の巣みたいなヒビが入る時があるでしょう? そんな感じのヒビが結界にできていました。
それから結界のおかげで壁は壊れなかったけど、最初よりもいっぱい壁にヒビが入っちゃって。もしかしたら次の攻撃で、壁が崩れちゃうかもしれないって事で。攻撃が止まってすぐに、セバスチャンさん達が、さっき集めた荷物じゃなくて、他の荷物も片付けた後、また鉱石の結界みたいな物で押さえてました。
その荷物を片付けるタイミングはバッチリだったよ。片付けが終わってすぐに、スノーラ達が結界を開いて、凄い勢いで部屋の中に入ってきたんだ。それから結界を綺麗に張り直して、蜘蛛の巣のヒビが入っちゃった部分が全部なくなって。これで大丈夫って思ったんだけど。スノーラが叫びました。
『全員壁から離れろ!!』
それと同時にまた攻撃が。さっきよりも強い攻撃で、スノーラやドラゴンお父さんでも、壁から下がっちゃうかくらい凄い攻撃でした。そしてその攻撃で、ついに壁がパシッ、ピシッ!って音がした後、一気にボロボロボロ、ガラガラガラって。外側の壁全体が崩れちゃったんだ。窓なんかもう関係ありません。一面の壁がなくなったからね、外がよ~く見えるように。
『なんか前より広くなった』
『うん、広くなったなの』
そう、壁がなくなったおかげで外が丸見えでしょう、そのおかげで部屋が広くなったように感じるんだ。でも、今そんな事を気にしている場合じゃなくて、すぐに僕は外を確認します。そしてそれは、お屋敷から少し離れた所にいました。
僕達は今3階にいたんだけど、その高さにコレイションと黒ローブ達が浮いていて、コレイション達の後ろにはラジミールが。ううん、元はラジミール、今は悪のディアブナスが浮いていました。どうやって浮かんでいるのかな? あれも魔法?
ディアブナスのラジミール。僕達が最後に見たラジミールと全然違っていました。僕が最初に攫われた時、あの時も最初のラジミールとは違っていたみたいで、僕達が逃げた時のラジミールも雰囲気が変わっていたんだけど。今は完全に別人です。
ブローがね、完全にラジミールは取り込まれて、もうこの世界のどこにもラジミールは存在しないって言いました。
それからコレイションもちょっと変わってたよ。何か少し若くなったって感じ。それに今までの黒ローブじゃなくて、色は黒でローブなんだけど帽子はついていなくて、それから青色の刺繍が。あとは腰に剣を付けていて。なんだろう、ただの黒ローブよりも強くなった感じ? 他の黒ローブ達も最初と違う黒ローブを着ているような?
「あれは…」
お兄ちゃんがコレイションを見ながら嫌な顔をします。
「おにいちゃ? どちたの?」
『あんな物まで用意していたとはな。全く本当に嫌になる』
今度はそう話しながら、スノーラとドラゴンおじさんが僕達の所に。それで僕達が怪我していないか確認して。確認している最中も、ディアブナスからは目を離しません。
『あれは闇の軍隊が使っていた洋服だ。昔ディアブナスが率いていた軍が着ていたのだ』
闇の軍隊。昔そんな軍隊が。
「スノーラ、どんな感じだ?」
お話しを聞いてたら今度はローレンスさん達が。ハイエルフさん達の方にはユイゴさんが行きます。アーティストさんはずっと側にいてくれてるよ。
『屋敷の周りの結界は完全に消されてしまった。あとはここでどうにかして奴を止めるしかない。取り敢えず色々と試してみるが』
「分かった。我々は邪魔になるからな、こちらで援護を』
『まずはあいつを押さえる事を考える。それからあれができるようならば…。完全な封印でなくとも良い。少しでも時間が稼げれば』
スノーラがちょっと怖い顔をしたよ。話しを聞いていたら、ディアブナスを封印する方法には何個かあるみたい。でもスノーラ達の表情を見ていたら、それがとっても難しいんだなって言うことが分かって。それから僕達はその方法を知らないけど、ローレンスさん達は方法を知っているみたいでした。
「今、それが出来そうな者達は?」
『我とエン、それから数人の人間と獣人、そしてお前達だな。ただな』
「準備をする時間が、という感じですね。もし準備ができたとして、次の準備に移るまでに、あれの相手をしなければいけない。そうなるとあなた方は、そちらへは行けないでしょう」
『そうだ。今我等がここから抜ければ、奴を抑えておく者がいなくなり、結局は失敗する事になる』
『街の方は、今のところお前達の仲間がいるからな、対応はできているが』
何か色々問題があるみたいです。そんなスノーラ達が話し合いをしている間、なぜか攻撃をやめてるディアブナスたち。よく見てみると、ディアブナスの体から黒いモヤモヤが出ているような?
うんとね、元々闇の力って感じで、あの僕達が逃げた時も、モヤモヤした物が体から出ていたんだけど。それとは違う、薄い色の黒いモヤモヤが出ているように見えたんだ。
「みんにゃ、モヤモヤみえりゅ?」
『モヤモヤ? 濃いモヤモヤ出てる』
『うん、濃いモヤモヤ見えるなの』
『僕も見えるけど、それがどうしたの?』
あれ? 今は止まってる? 確認しようとした僕、そうしたら薄いモヤモヤは消えていました。今の何だったんだろう? 僕の気のせい?
『はぁ、色々と準備をしたつもりだったが…。そろそろ来るようだ』
スノーラがディアブナス達を見て唸りました。
それから結界のおかげで壁は壊れなかったけど、最初よりもいっぱい壁にヒビが入っちゃって。もしかしたら次の攻撃で、壁が崩れちゃうかもしれないって事で。攻撃が止まってすぐに、セバスチャンさん達が、さっき集めた荷物じゃなくて、他の荷物も片付けた後、また鉱石の結界みたいな物で押さえてました。
その荷物を片付けるタイミングはバッチリだったよ。片付けが終わってすぐに、スノーラ達が結界を開いて、凄い勢いで部屋の中に入ってきたんだ。それから結界を綺麗に張り直して、蜘蛛の巣のヒビが入っちゃった部分が全部なくなって。これで大丈夫って思ったんだけど。スノーラが叫びました。
『全員壁から離れろ!!』
それと同時にまた攻撃が。さっきよりも強い攻撃で、スノーラやドラゴンお父さんでも、壁から下がっちゃうかくらい凄い攻撃でした。そしてその攻撃で、ついに壁がパシッ、ピシッ!って音がした後、一気にボロボロボロ、ガラガラガラって。外側の壁全体が崩れちゃったんだ。窓なんかもう関係ありません。一面の壁がなくなったからね、外がよ~く見えるように。
『なんか前より広くなった』
『うん、広くなったなの』
そう、壁がなくなったおかげで外が丸見えでしょう、そのおかげで部屋が広くなったように感じるんだ。でも、今そんな事を気にしている場合じゃなくて、すぐに僕は外を確認します。そしてそれは、お屋敷から少し離れた所にいました。
僕達は今3階にいたんだけど、その高さにコレイションと黒ローブ達が浮いていて、コレイション達の後ろにはラジミールが。ううん、元はラジミール、今は悪のディアブナスが浮いていました。どうやって浮かんでいるのかな? あれも魔法?
ディアブナスのラジミール。僕達が最後に見たラジミールと全然違っていました。僕が最初に攫われた時、あの時も最初のラジミールとは違っていたみたいで、僕達が逃げた時のラジミールも雰囲気が変わっていたんだけど。今は完全に別人です。
ブローがね、完全にラジミールは取り込まれて、もうこの世界のどこにもラジミールは存在しないって言いました。
それからコレイションもちょっと変わってたよ。何か少し若くなったって感じ。それに今までの黒ローブじゃなくて、色は黒でローブなんだけど帽子はついていなくて、それから青色の刺繍が。あとは腰に剣を付けていて。なんだろう、ただの黒ローブよりも強くなった感じ? 他の黒ローブ達も最初と違う黒ローブを着ているような?
「あれは…」
お兄ちゃんがコレイションを見ながら嫌な顔をします。
「おにいちゃ? どちたの?」
『あんな物まで用意していたとはな。全く本当に嫌になる』
今度はそう話しながら、スノーラとドラゴンおじさんが僕達の所に。それで僕達が怪我していないか確認して。確認している最中も、ディアブナスからは目を離しません。
『あれは闇の軍隊が使っていた洋服だ。昔ディアブナスが率いていた軍が着ていたのだ』
闇の軍隊。昔そんな軍隊が。
「スノーラ、どんな感じだ?」
お話しを聞いてたら今度はローレンスさん達が。ハイエルフさん達の方にはユイゴさんが行きます。アーティストさんはずっと側にいてくれてるよ。
『屋敷の周りの結界は完全に消されてしまった。あとはここでどうにかして奴を止めるしかない。取り敢えず色々と試してみるが』
「分かった。我々は邪魔になるからな、こちらで援護を』
『まずはあいつを押さえる事を考える。それからあれができるようならば…。完全な封印でなくとも良い。少しでも時間が稼げれば』
スノーラがちょっと怖い顔をしたよ。話しを聞いていたら、ディアブナスを封印する方法には何個かあるみたい。でもスノーラ達の表情を見ていたら、それがとっても難しいんだなって言うことが分かって。それから僕達はその方法を知らないけど、ローレンスさん達は方法を知っているみたいでした。
「今、それが出来そうな者達は?」
『我とエン、それから数人の人間と獣人、そしてお前達だな。ただな』
「準備をする時間が、という感じですね。もし準備ができたとして、次の準備に移るまでに、あれの相手をしなければいけない。そうなるとあなた方は、そちらへは行けないでしょう」
『そうだ。今我等がここから抜ければ、奴を抑えておく者がいなくなり、結局は失敗する事になる』
『街の方は、今のところお前達の仲間がいるからな、対応はできているが』
何か色々問題があるみたいです。そんなスノーラ達が話し合いをしている間、なぜか攻撃をやめてるディアブナスたち。よく見てみると、ディアブナスの体から黒いモヤモヤが出ているような?
うんとね、元々闇の力って感じで、あの僕達が逃げた時も、モヤモヤした物が体から出ていたんだけど。それとは違う、薄い色の黒いモヤモヤが出ているように見えたんだ。
「みんにゃ、モヤモヤみえりゅ?」
『モヤモヤ? 濃いモヤモヤ出てる』
『うん、濃いモヤモヤ見えるなの』
『僕も見えるけど、それがどうしたの?』
あれ? 今は止まってる? 確認しようとした僕、そうしたら薄いモヤモヤは消えていました。今の何だったんだろう? 僕の気のせい?
『はぁ、色々と準備をしたつもりだったが…。そろそろ来るようだ』
スノーラがディアブナス達を見て唸りました。
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