上 下
169 / 211
連載

303本当は離れたくなおけど…

しおりを挟む
「しゅにょー、どかいく?」

『ああ、ちょっとな。だがすぐに帰ってくるから、レン達はアーティストからの離れずに、庭の片付けを続けていろ』

『ブローも用事? ルリ達はダメ?』

『そうだな、今回はブローに手伝って欲しいことがあるのだ。それに用事を早く片付けるに、レン達を連れていくのはちょっとな』

 僕達静かにしてるよ。それに今離れるのはちょっと…。何となくスノーラと離れたくないんだ。それにローレンスさん達が、お屋敷の話しを進める前に、僕達の話しをした方が良いでしょう? 

 だからご飯が終わったら、さっき僕がルリ達に話した内緒のお話しの事、僕達の部屋の事で、色々お願いしても良いのか、みんなで話し合おうと思ってたのに。スノーラもちゃんとお話ししないと。

 あっ、ルリとアイスがスノーラの髪の毛にしがみ付いた。それにとっても不安な顔してるよ。

『今じゃないとダメなの? ボクはスノーラと居たいなの』

『ルリも離れたくない。今は離れちゃいけない気がする』

『うん、そうなの』

 ほら、やっぱりルリ達も不安なんだよ。僕みたいにこれといって理由はないんだろうけど。ディアブナスもコレイションも完全に封印できたし、僕達は見ていないけど、他にディアブナスに消されないで残っていた黒服達は、街のあちこちで気絶してたみたいで。
 フィオーナさんやスチュアートさん、他の人達が全員捕まえてくれたから、こっちももう心配はないし。

 全員捕まえたかは、ユイゴさんがしっかりと確認済みだって。ユイゴさんはかなり前からコレイションの元で、今回の事を調べていたからね。下っ端の黒服の事もしっかりと調べていて、その黒服達の気配もバッチリ覚えていました。

 だから街と街周辺全部、この短時間で気配を調べて、残っていた黒服を全員捕まえたんだよ。全員…。今は人数が減っていたとはいえ、最初の頃なんて何十人といたはずの黒服達。その全員の気配を覚えているなんて、ユイゴさんってやっぱり凄いね。

 そして街の周りに群がっていた魔獣達。こっちも完璧にドラゴンお父さんとカースが倒してくれたから問題はなくて。何なら今その魔獣達を食べ終わったところだし。凄く美味しかったし。ね、問題はないんだけど、何かスノーラと離れたくないんだ。

 ルリとアイスがスノーラの毛に掴まったままブラブラ。僕はスノーラの洋服をギュッと掴みます。
 すぐに帰ってくるって、でもブローにも手伝って欲しい。確かにブローは僕達よりも何でもできちゃうけど…。

 と、ふわっとスノーラが僕を抱きしめました。それから毛にぶら下がっていたルリ達も抱きしめて、ササっとリス魔獣のぬいぐるみと、カバンを出してくれて。それから結界も張ってくれました。

『すまないが、今はこのぬいぐるみと一緒にいてくれ。本当にすぐに帰ってくる。そうだな、30分もしないで帰ってくる。だからな』

 う~ん、30分。僕はぬいぐるみを抱きしめて考えます。30分なら片付けしてたらすぐだよね。それか先にルリとアイスにお部屋の話しをしてても良いし。
 僕は小さく頷いて、それからギュッ!とスノーラに抱きつきます。ルリとアイルも僕を見て僕の肩に乗ってくると、スノーラにギュッと抱きつきました。

「しゅぐかえりゅ」

『30分だよ』

『遅れたら連携攻撃なの』

『分かった分かった。連携攻撃は困るからな』

 スノーラがもう1回ギュッと抱きしめてくれて、僕達から離れました。本当に約束だからね、すぐに帰ってきてね。

 スノーラはその後ローレンスさん達の所へ。それで何か少しお話しした後、ローレンスさんが頷くとブローを呼んだよ。何の用事なのか分からないけど、ブロー頑張ってね。それですぐに帰って来て。

『用事って何かな? まぁ、僕が居るからすぐに終わるだろうけど、じゃあ行って来るね』

「いちぇらちゃい!」

『すぐに用事終わらせて』

『頑張るなの!』

 ブローがスノーラの方へ飛んで行って、スノーラの肩に乗ります。それからカースが魔獣姿に戻って、スノーラとドラゴンお父さんがカースに乗りました。

 あれ? スノーラなら別にカースに乗らなくても良いんじゃない? まぁ全力を出したカースには及ばないかもしれないけど、それでもスノーラだって、とっても早く走るのに。
 それとも僕達が早く帰って来てって言ったから、ならカースで移動した方が早いって、カースに乗ることになったのかな? 

『では行って来る。レン、ルリ、アイス、余計な事はするなよ。そしてアーティストから離れるな』

 そうスノーラが言うと、一瞬でスノーラ達が消えました。だから余計な事なんていないよ。取り敢えず片付けするか、ルリ達に先に話しをするか、それから決めるけどさ。

 スノーラ達が居た場所を、じっと見つめる僕達。その時誰かが僕の手を握りました。ドラちゃんだったよ。ドラちゃんはニコッと笑って、それから向こうに行こうって。僕は頷きます。

 と、今度は頭がぐわんぐわんと。誰かが思いきり僕の頭を撫でたんだ。この頭の撫で方は…。振り向いた僕の後ろ、やっぱりそこにはレオナルドお兄ちゃんが。お兄ちゃんに頭を撫でてもらうのは好きなんだけど、ちょっと首が…。

「さっ、こんな所に突っ立ってると邪魔になるからな。みんな移動しようぜ」

 そう言って、ヒョイと僕を抱き上げるレオナルドお兄ちゃん。僕は後ろを振り返って、もう1回だけスノーラ達が居た場所を見ます。

 大丈夫。スノーラは約束破らないもん。それにピリピリした感じはしなかったから、そんなに危ない用事じゃないはず。だから大丈夫。うん! 僕はこれからの事を考えなくちゃ。

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

さよならイクサ

現代文学 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

不撓不屈

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

ある工作員の些細な失敗

大衆娯楽 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

1人の男と魔女3人

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

恋と鍵とFLAYVOR

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:7

愛及屋烏

BL / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:4

川と海をまたにかけて

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。