【完結】記憶喪失になった伯爵夫人の離婚
エレノア・キンバリーはジョン・キンバリー伯爵の妻である。元々、名家のハワード伯爵が叔父、父親はその従属爵位である男爵位を継ぎつつ、王国で5本指に入る大商会を運営していた資産家の男爵令嬢であった。キンバリー家は地方の大地主として建国以来の名家であったが、度重なる天災によって夫のジョンが成人する頃には金銭的に相当追い込まれていた。爵位返上も現実味を帯びているなか、当時叔父が王国の宰相を務めていたことから、政略結婚による結び付きを強め、ハワード男爵家が金銭的、また経営的な大規模支援を行う王命が出された。その結果、姪であるエレノアは成人して間もない15歳で生家を離れ、キンバリー家へと嫁いだのである。
しかし、夫のジョンには学生時代から仲を深めていた恋人がいて、エレノアは毎週水曜日に恋人の元へと通う夫を憂う日々。だた、王命による婚姻なので白い結婚とは行かず、婚姻間もなく妊娠し、翌年に息子であるロバートを、その翌年には娘マーガレットを生んだ。伯爵夫人として家政と社交を執り行い、生家から派遣された使用人たちと傾いたキンバリー家を再建し、そろそろ生家からの貸付金の返済を終えるという、結婚20年目のある日、階段から足を滑らせて転がり落ち、頭を酷く打って記憶喪失となってしまう。それによって、人が変わったエレノアは、柵を解き迷い無く離婚へと突き進むのであった。その顛末のお話。
・完全なるフィクションです。元サヤです。脳を楽にしてお読みいただければ幸いです。
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