395 / 785
第二部 宰相閣下の謹慎事情
472 追憶と追悼の薔薇(中)
しおりを挟む
庭園の右手には、優しいピンクの花色に、プリーツの様に波打つ花弁が可愛いらしい薔薇。
そして左手には、花色は内弁が赤紫、外弁が白と珍しく、それでいてどこか影を感じさせる薔薇。
「今の時期に返り咲きをする原種を色々交配させて、試行錯誤の末に今ある形に落ち着かせた」
「……公爵閣下が品種改良を?」
驚いた私に、フェドート元公爵は微笑った。
「まあ、息子に公爵位を譲ってからの、手慰みではあったがね。妹の好きな花で、妹の喜ぶ色が見つからなかったのだよ」
「それが、この二色ですか?」
「ああ。右は婚約披露の夜会で着るはずだった、トーレン殿から贈られたドレスの色。左は妹がトーレン殿にお返しとして贈る筈だった、ポケットチーフの色だ」
トーレン殿下は王族の証である金髪ではあったものの、瞳はフィルバートと違い、濃い赤紫色だったらしい。
ただ、その色をそのまま若い令嬢に贈る事には躊躇いを覚えたそうで、当時はまだドレス界一強状態だった〝マダム・カルロッテ〟に相談をし、少し色を淡くしてのドレスを仕立てたのだとか。
それまでになかった色と言う事と、姫の名をとって〝ジュゼッタ・ピンク〟と銘打たれ、今でもギルドに特許権登録をされている色なんだそうだ。
姫が亡くなり、無理矢理バリエンダールから別の令嬢が輿入れして来た当初、トーレン宰相の妻にはならなかったものの、国王の側室におさまったその令嬢を、アンジェス社交界は歓迎していないと言う無言の抗議で、この色のドレスを着用して、夜会に出る夫人や令嬢が後を絶たなかったらしい。
社交界には、社交界なりの戦い方があると言う事なんだろう。
「ありがたい事だと思った。もし輿入れしていたとしても、妹はきっと幸せだっただろうと。そう思えば、もう必要以上の復讐は考えまいと、私はこの地に留まる事を選んだのだよ」
多分に政略性の強い婚姻話だったとは言え、受けて妹姫に勧めたのは自分。
公爵領を取り上げられたとしても、断るべきだったのかと、妹姫亡き後、フェドート元公爵はずっと後悔に苛まれてきたのだと、薔薇を見つめたままの元公爵の隣で、テオドル大公が囁いた。
「……今更、腑に落ちた」
「エドヴァルド様?」
少し驚いた様に、どこか遠くを懐かしむ様に、二種類の薔薇の咲き誇る庭園を見つめたまま、エドヴァルドが誰に向けるでもなく言葉を紡いだ。
「私が宰相室で実務の手解きを受ける様になってからの事しか知らないが、トーレン殿下の胸元には常に紫のポケットチーフがあった。そう、常にだ。そして同じく、常に、乾燥しきって、触れると粉々になりそうな薔薇が部屋に飾られていた。ある時を境に、毎年の様に届いていて、亡くなられる直前には、ちょっとした花束程度にはなっていたんだ。そうか……全てその姫の……」
恐らくは、ドライフラワーの花束だろうと、何となく想像はついた。
この湖畔からアンジェスにまで運ばれて、宰相室にずっと飾られていたのだとすれば、特殊な手を加えずとも、ドライフラワーになる筈だから。
結果としてそうなったにせよ、トーレン殿下は〝ジュゼッタ・ピンク〟をイメージさせるその花を、どうしても捨てられなかったのだ。
「うむ。それもそれで、全てトーレン殿下からの、王家への無言の抗議ではあったのだよ。先々代にせよ先代にせよ、絶対に膝は折らない、とな」
「だからあの花束は……トーレン殿下の葬儀で、棺に……」
「儂が、典礼担当だった先代コンティオラ公爵に頼んで、ポケットチーフと共に入れさせて貰ったのだよ。そうして欲しいと、頼まれてもおったしな」
「……そう、ですか……」
当時を思い出したのか、エドヴァルドの声が少し震えている様な気がした。
フェドート元公爵は、話を聞いていたのか「うむ。テオドルには、それだけでも返しきれぬ程の恩がある。トーレン殿のお心の内も知る事が出来たのだからな」と、頷いている。
「イデオン公…いや、宰相か。トーレン殿を知ると言う貴殿であれば、異存などある筈もない。どうかこれらの花を、湖に捧げてやってくれ。妹も喜ぶだろうし、何よりトーレン殿にも届くのではないかな」
「……ご配慮感謝する、フェドート卿」
二人が頷きあったちょうどそこへ、フェドート邸の使用人だろう。剪定用の様な鋏を持って、庭園の中へと駆け込んで来た。
「……あの、私も宜しいんですか?」
鋏を渡されたので聞いてみれば、フェドート元公爵は「構わんよ、イデオン公と共に捧げてくれ」と、鷹揚に微笑っていた。
「うわ……」
庭園の中を、更に薔薇に近付く様に進むと、左右それぞれの香りが、風に乗って届いてくる。
右からは、甘く、少しすっきりとした香り。
左からは、甘さにフルーツとスパイスが絶妙に絡む、そんな個性的な香りだ。
「――あの」
気付けば、私はつい、口を開いてしまっていた。
「この薔薇――コホン、花は、閣下が品種改良されたと言う事は、ここで咲いているだけなんですよね?」
「あ、ああ。どこに広めるつもりもないしな。掛け合わせる前は、ロサ何とかと言っていたようにも思うが、覚えてもおらん。今はただの野に咲く花よ」
「レイナ……?」
今度は何だ、と表情に出たエドヴァルドに、私は慌てて両の手を振った。
「いえ。栽培を普及させるつもりも、売り物にするつもりもないんです。ただ……香りがもったいなくて……」
「香りがもったいない?」
「せっかくなら、香り付けの水と香水と入浴剤、作ってみられませんか、閣下?出来上がった品物は、売るのではなく、例えば大公様や息子さん、国王陛下、簡単に言うと「妹さんの事を忘れて欲しくない人」に、毎年贈るんです。多分、量としてもそのくらいでしょうし、ご自身が健康だと言う事も、それで雄弁に主張出来ますし」
「入浴剤と言うのは、其方がエプレでハタラ族用に提案しとった、アレか?」
驚いて言葉の出ないエドヴァルドやフェドート元公爵を横目に、一度免疫?のあるテオドル大公が聞いてきてくれたので、私も「はい、アレです」と頷いた。
「確かに、エプレでなくとも良いと言っておったな……」
「先程、釣りをされていたのを見て思ったんですけど、品種改良がひと段落されて、今、割と落ち着いていらっしゃいますよね?だったら次の『生き甲斐』があっても良いかと思ったんです」
「それが、入浴剤や香水かね?」
生き甲斐…と呟くフェドート元公爵の代わりとでも言う様に、テオドル大公が質問役を引き受けている感じだ。
「はい。売り物にするほど凝ったモノでなければ、香り付けの水も香水も、邸宅にある材料で出来る筈ですから」
まあ、ここも文化祭ワークショップ知識だけれど、入浴剤同様、どちらも凝った機械がなくとも再現は可能だったのだ。
極端な話、ウォッカと蒸留水とバラさえあれば、あとはガラス瓶やボウル、混ぜる為のスプーンやすり潰す為の乳鉢、乳棒、こし器等々、台所にある筈の調理道具で製作可能な筈なのだ。
浸したり冷暗所で寝かせたり、なんだかんだと10日近くはかかっていた筈だけど……。
「よければ後で説明しますので、この香り、もっと長く残す方向でやってみられませんか?――今はこのまま献花用に切らせていただきますけれど」
「………」
――考えておこう、とフェドート元公爵は言った。
そして左手には、花色は内弁が赤紫、外弁が白と珍しく、それでいてどこか影を感じさせる薔薇。
「今の時期に返り咲きをする原種を色々交配させて、試行錯誤の末に今ある形に落ち着かせた」
「……公爵閣下が品種改良を?」
驚いた私に、フェドート元公爵は微笑った。
「まあ、息子に公爵位を譲ってからの、手慰みではあったがね。妹の好きな花で、妹の喜ぶ色が見つからなかったのだよ」
「それが、この二色ですか?」
「ああ。右は婚約披露の夜会で着るはずだった、トーレン殿から贈られたドレスの色。左は妹がトーレン殿にお返しとして贈る筈だった、ポケットチーフの色だ」
トーレン殿下は王族の証である金髪ではあったものの、瞳はフィルバートと違い、濃い赤紫色だったらしい。
ただ、その色をそのまま若い令嬢に贈る事には躊躇いを覚えたそうで、当時はまだドレス界一強状態だった〝マダム・カルロッテ〟に相談をし、少し色を淡くしてのドレスを仕立てたのだとか。
それまでになかった色と言う事と、姫の名をとって〝ジュゼッタ・ピンク〟と銘打たれ、今でもギルドに特許権登録をされている色なんだそうだ。
姫が亡くなり、無理矢理バリエンダールから別の令嬢が輿入れして来た当初、トーレン宰相の妻にはならなかったものの、国王の側室におさまったその令嬢を、アンジェス社交界は歓迎していないと言う無言の抗議で、この色のドレスを着用して、夜会に出る夫人や令嬢が後を絶たなかったらしい。
社交界には、社交界なりの戦い方があると言う事なんだろう。
「ありがたい事だと思った。もし輿入れしていたとしても、妹はきっと幸せだっただろうと。そう思えば、もう必要以上の復讐は考えまいと、私はこの地に留まる事を選んだのだよ」
多分に政略性の強い婚姻話だったとは言え、受けて妹姫に勧めたのは自分。
公爵領を取り上げられたとしても、断るべきだったのかと、妹姫亡き後、フェドート元公爵はずっと後悔に苛まれてきたのだと、薔薇を見つめたままの元公爵の隣で、テオドル大公が囁いた。
「……今更、腑に落ちた」
「エドヴァルド様?」
少し驚いた様に、どこか遠くを懐かしむ様に、二種類の薔薇の咲き誇る庭園を見つめたまま、エドヴァルドが誰に向けるでもなく言葉を紡いだ。
「私が宰相室で実務の手解きを受ける様になってからの事しか知らないが、トーレン殿下の胸元には常に紫のポケットチーフがあった。そう、常にだ。そして同じく、常に、乾燥しきって、触れると粉々になりそうな薔薇が部屋に飾られていた。ある時を境に、毎年の様に届いていて、亡くなられる直前には、ちょっとした花束程度にはなっていたんだ。そうか……全てその姫の……」
恐らくは、ドライフラワーの花束だろうと、何となく想像はついた。
この湖畔からアンジェスにまで運ばれて、宰相室にずっと飾られていたのだとすれば、特殊な手を加えずとも、ドライフラワーになる筈だから。
結果としてそうなったにせよ、トーレン殿下は〝ジュゼッタ・ピンク〟をイメージさせるその花を、どうしても捨てられなかったのだ。
「うむ。それもそれで、全てトーレン殿下からの、王家への無言の抗議ではあったのだよ。先々代にせよ先代にせよ、絶対に膝は折らない、とな」
「だからあの花束は……トーレン殿下の葬儀で、棺に……」
「儂が、典礼担当だった先代コンティオラ公爵に頼んで、ポケットチーフと共に入れさせて貰ったのだよ。そうして欲しいと、頼まれてもおったしな」
「……そう、ですか……」
当時を思い出したのか、エドヴァルドの声が少し震えている様な気がした。
フェドート元公爵は、話を聞いていたのか「うむ。テオドルには、それだけでも返しきれぬ程の恩がある。トーレン殿のお心の内も知る事が出来たのだからな」と、頷いている。
「イデオン公…いや、宰相か。トーレン殿を知ると言う貴殿であれば、異存などある筈もない。どうかこれらの花を、湖に捧げてやってくれ。妹も喜ぶだろうし、何よりトーレン殿にも届くのではないかな」
「……ご配慮感謝する、フェドート卿」
二人が頷きあったちょうどそこへ、フェドート邸の使用人だろう。剪定用の様な鋏を持って、庭園の中へと駆け込んで来た。
「……あの、私も宜しいんですか?」
鋏を渡されたので聞いてみれば、フェドート元公爵は「構わんよ、イデオン公と共に捧げてくれ」と、鷹揚に微笑っていた。
「うわ……」
庭園の中を、更に薔薇に近付く様に進むと、左右それぞれの香りが、風に乗って届いてくる。
右からは、甘く、少しすっきりとした香り。
左からは、甘さにフルーツとスパイスが絶妙に絡む、そんな個性的な香りだ。
「――あの」
気付けば、私はつい、口を開いてしまっていた。
「この薔薇――コホン、花は、閣下が品種改良されたと言う事は、ここで咲いているだけなんですよね?」
「あ、ああ。どこに広めるつもりもないしな。掛け合わせる前は、ロサ何とかと言っていたようにも思うが、覚えてもおらん。今はただの野に咲く花よ」
「レイナ……?」
今度は何だ、と表情に出たエドヴァルドに、私は慌てて両の手を振った。
「いえ。栽培を普及させるつもりも、売り物にするつもりもないんです。ただ……香りがもったいなくて……」
「香りがもったいない?」
「せっかくなら、香り付けの水と香水と入浴剤、作ってみられませんか、閣下?出来上がった品物は、売るのではなく、例えば大公様や息子さん、国王陛下、簡単に言うと「妹さんの事を忘れて欲しくない人」に、毎年贈るんです。多分、量としてもそのくらいでしょうし、ご自身が健康だと言う事も、それで雄弁に主張出来ますし」
「入浴剤と言うのは、其方がエプレでハタラ族用に提案しとった、アレか?」
驚いて言葉の出ないエドヴァルドやフェドート元公爵を横目に、一度免疫?のあるテオドル大公が聞いてきてくれたので、私も「はい、アレです」と頷いた。
「確かに、エプレでなくとも良いと言っておったな……」
「先程、釣りをされていたのを見て思ったんですけど、品種改良がひと段落されて、今、割と落ち着いていらっしゃいますよね?だったら次の『生き甲斐』があっても良いかと思ったんです」
「それが、入浴剤や香水かね?」
生き甲斐…と呟くフェドート元公爵の代わりとでも言う様に、テオドル大公が質問役を引き受けている感じだ。
「はい。売り物にするほど凝ったモノでなければ、香り付けの水も香水も、邸宅にある材料で出来る筈ですから」
まあ、ここも文化祭ワークショップ知識だけれど、入浴剤同様、どちらも凝った機械がなくとも再現は可能だったのだ。
極端な話、ウォッカと蒸留水とバラさえあれば、あとはガラス瓶やボウル、混ぜる為のスプーンやすり潰す為の乳鉢、乳棒、こし器等々、台所にある筈の調理道具で製作可能な筈なのだ。
浸したり冷暗所で寝かせたり、なんだかんだと10日近くはかかっていた筈だけど……。
「よければ後で説明しますので、この香り、もっと長く残す方向でやってみられませんか?――今はこのまま献花用に切らせていただきますけれど」
「………」
――考えておこう、とフェドート元公爵は言った。
1,032
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
事情があってメイドとして働いていますが、実は公爵家の令嬢です。
木山楽斗
恋愛
ラナリアが仕えるバルドリュー伯爵家では、子爵家の令嬢であるメイドが幅を利かせていた。
彼女は貴族の地位を誇示して、平民のメイドを虐げていた。その毒牙は、平民のメイドを庇ったラナリアにも及んだ。
しかし彼女は知らなかった。ラナリアは事情があって伯爵家に仕えている公爵令嬢だったのである。
お前は家から追放する?構いませんが、この家の全権力を持っているのは私ですよ?
水垣するめ
恋愛
「アリス、お前をこのアトキンソン伯爵家から追放する」
「はぁ?」
静かな食堂の間。
主人公アリス・アトキンソンの父アランはアリスに向かって突然追放すると告げた。
同じく席に座っている母や兄、そして妹も父に同意したように頷いている。
いきなり食堂に集められたかと思えば、思いも寄らない追放宣言にアリスは戸惑いよりも心底呆れた。
「はぁ、何を言っているんですか、この領地を経営しているのは私ですよ?」
「ああ、その経営も最近軌道に乗ってきたのでな、お前はもう用済みになったから追放する」
父のあまりに無茶苦茶な言い分にアリスは辟易する。
「いいでしょう。そんなに出ていって欲しいなら出ていってあげます」
アリスは家から一度出る決心をする。
それを聞いて両親や兄弟は大喜びした。
アリスはそれを哀れみの目で見ながら家を出る。
彼らがこれから地獄を見ることを知っていたからだ。
「大方、私が今まで稼いだお金や開発した資源を全て自分のものにしたかったんでしょうね。……でもそんなことがまかり通るわけないじゃないですか」
アリスはため息をつく。
「──だって、この家の全権力を持っているのは私なのに」
後悔したところでもう遅い。
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
継子いじめで糾弾されたけれど、義娘本人は離婚したら私についてくると言っています〜出戻り夫人の商売繁盛記〜
野生のイエネコ
恋愛
後妻として男爵家に嫁いだヴィオラは、継子いじめで糾弾され離婚を申し立てられた。
しかし当の義娘であるシャーロットは、親としてどうしようもない父よりも必要な教育を与えたヴィオラの味方。
義娘を連れて実家の商会に出戻ったヴィオラは、貴族での生活を通じて身につけた知恵で新しい服の開発をし、美形の義娘と息子は服飾モデルとして王都に流行の大旋風を引き起こす。
度々襲来してくる元夫の、借金の申込みやヨリを戻そうなどの言葉を躱しながら、事業に成功していくヴィオラ。
そんな中、伯爵家嫡男が、継子いじめの疑惑でヴィオラに近づいてきて?
※小説家になろうで「離婚したので幸せになります!〜出戻り夫人の商売繁盛記〜」として掲載しています。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。