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成人式

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瑞希は、もうすぐ20歳。
成人式を迎える。


「成人式に着る振袖は?」

「え?成人式?行かなくていいよ。」

「成人式だよ。」

「霧矢くん行った?行ってないでしょ?」

「一度の経験だよ。愛ちゃんに会えるよ。」

「うーん。愛ちゃんに聞いてみる。」



愛ちゃんに連絡すると
「連絡しようと思ったの。振袖着たくて、瑞希行かない?一緒に行こうよ。」


「わかった。一緒に行こうね。」
となったので、霧矢くんに、行くことを伝えた。

「振袖着てもいいのかな?」

「着物は用意するから安心して、、」

「霧矢くん、、帰り迎えに来て欲しいの。ダメかな?」

「もちろん行くよ。」

「ありがとう。嬉しい。」




成人式の当日、朝5時に美容院を予約して、全てのセッティングをした。


「大人の女性」だった。

「瑞希。送ってくよ。」

霧矢くんは何言ってくれなかった。
似合わなかったのかな?
と心配だった。

愛ちゃんが待っていた。

「あ。愛ちゃんだ。すごく綺麗。」

「瑞希。すぐ近くで、仕事してるから、なんかあったら呼んでね。待ってるから。」

「うん。霧矢くん送ってくれてありがとう。」


「愛ちゃん。」

「おはようございます。霧矢さん。」

「おはよう。愛ちゃん。綺麗だね。大人だね。」

その言葉に瑞希は、ムッとした。
なんで私にはいってくれないの、、、

「じゃあ。行ってきます。」

「いってらっしゃい」

「瑞希。すごく似合ってるよ。綺麗。結婚してから色気が出たよね。」

「そうなのかな。霧矢くん。なんも言ってくれなかったもん。」

「え?そうなんだ。綺麗すぎて心配なんじゃないの?」

「そーなのかな?」

「中に入ろう。」

高校の友達や中学の友達がいた。
写真を撮ったりした。
中学の友達も久しぶりで、みんな元気そうだった。

式典があるので、愛ちゃんと中に入った。

「みんなと会えて良かったね。」

「そうだね。元気そうだった。」


瑞希の中では、霧矢くんが綺麗って言ってくれなかったことが、寂しかった。


式典も終わり、外に出ると光輝がいた。
光輝の周りには、少し悪そうに見える人たちがいた。
私は関わりたくなくって、そのまま過ぎ去ろうとした、

「瑞希。久しぶり。」

「今井くん久しぶりだね。」

「少し見ないうちに綺麗になったね。毎日、旦那さんに抱かれてるから?」

「じゃあね」

「待てよ。少し話をしてもいいだろ?」

「なぁ。あれから俺がどうなったか?知りたくない?」

「興味がないです。」

「お前のせいで、俺は大学に行けなかった。親も全てお前のせいだって言ってるよ。」

「私が何かしたの?何もしてないよね。」

「お前が俺を受け入れたら、良かったんだよ。」

「意味がわからない。」

「愛ちゃん行こう。」

「瑞希お前だけ幸せになるわけ?」

「それも意味がわからない。」

「行こう」

「待てよ。」瑞希の腕を掴んだ。

「離して。触らないで、着物が崩れる」

「なんで、そんなに避けるんだ?」

「私は、あなたともう関係ないよね?ただの同級生。卒業したら、もう関係ない。」

「それは、、、」

「行こう。じゃあね。」

「瑞希。俺、瑞希の事、やっぱり好きだったんだ。中学の頃から、、、」

「今さら言われても何も感じないよ。
ちゃんと次好きになる子には優しくしてあげてね」

「じゃあね。」




「愛ちゃんは、最近どう?」

「大輔は、大学が楽しいみたいだから、疎遠になってる。自然消滅かな。
それより、私、一年だけ留学しようと思ってね。」

「どこに?」

「東南アジアに行こうと思ってる。
いろんなところを見て、感じたいと思って、」

「いつ行くの?」

「来月。今日瑞希と成人式にこれて、良かった。ありがとう」

「私もよかった。愛ちゃん、気をつけてね。」

「うん。SNSにいろいろあげるから見ていてね。」

「うん。」

「あっ、霧矢くん、」

「楽しかった?」

「愛ちゃんが留学するんだって、、、東南アジアに行くの。」

「そうなんだ。いろんなこと見れるのはいいね。愛ちゃんが成長できるよ。今から、食事に行ける?瑞希も愛ちゃんとゆっくり話したくない?」

「いいんですか?瑞希と約束あるんじゃないの?」

「瑞希。もっと話をしたくない?」

「うん。話したい。いいの?」

「もちろんだよ、」

「振袖どうする?そのままでもいいけど、辛くない?」

「そうだね。辛いね。慣れないから。」

「なら、着替えよう。」

お店に連れられた。

「二人に服をお願い」

霧矢くんは、店員さんに言って、外に出ていった。

2人お揃いの服に見えたけど、私の服は愛ちゃんより可愛い。愛ちゃんのが大人だった
「可愛い。霧矢さん。素敵だね。瑞希良かったね。」

「うん。」笑顔で返した。

少し残念だった。愛ちゃんみたいに綺麗だったら良かったのにな。わたしは、まだ子供ぽっいんだろうな。

「霧矢くん。ありがとう」

「霧矢さん。ありがとうございます。」

「愛ちゃん気にしないで。成人のお祝いだよ。」

「ありがとうございます。」

「じゃあ食事に行こうか。」

連れていってくれたお店は、行ったことがなかった。
初めて行くお店だった。

「霧矢くん。」

コース料理が出てきた。
美味しい。今は、食事を楽しまないと。

美味しい食事なはずなのに、私は味がしなかった。

このレストランは、三つ星をとった。
なのに、、、
味がしないなんて、、、
デザートまで食べてから、1人でトイレに立った。

「瑞希の事、いろいろありがとうね。」

「いえ。瑞希は、可愛いし、私が男なら絶対結婚してますから。でも、女ですから友人ですよ。残念。」

「友人として仲良くしてあげてね」

「実はさっき光輝と接触はしました。光輝が、今の状態は、瑞希のせいと言いましたが、その後、中学から好きだった。と告白していました。」

「そう。ありがとう。」

瑞希からメールがきた。

「愛ちゃんを家まで送ってください。お願いします。私は少し、用事ができました。」

すぐに電話をすると、、

「霧矢くん。ごめんさなさい。さっきトイレに行った時、迷子の子と会って、、保護者の人を探してたの。見つかったんだけど、急に保護者の方が、用事ができたみたいで、少しの間だけ見ることになったの。」

「わかった。愛ちゃんは、タクシーで帰ってもらうよ。今から行くから。」

「でも、、、」

「いいから。」

電話を切ると

「愛ちゃん。ごめんね。瑞希が、子供の世話することになったみたいで、申し訳ないけど、タクシーで帰ってもらっていいかな?」  

「はい。瑞希によろしく伝えてください。今日はありがとうございました。」

霧矢はタクシーを拾って、愛を乗せた。
瑞希に電話をすると、このホテルの中庭で、遊んでいた。

中庭に行くと、男の子と、その子の父親らしい人と瑞希が話をしてた。

「ありがとう。助かったよ。」

「いえ。可愛い子で、楽しかったです。では、失礼します。」


中庭から出ようとしたときに、霧矢くんと会った。

「霧矢くんごめんなさい。愛ちゃんは?」

「ちゃんとタクシーに乗せたよ。」

「ありがとう。今日は疲れちゃった。帰ろう。」


少し霧矢と距離を置いた。
瑞希は朝から不機嫌だった。

家に着くと、
「シャワー浴びてくる。」

浴室を鍵を閉めて、シャワーを浴びた。
いつもは絶対にしない。でも、今は一人でいたかった。

シャワーを終え、パジャマに変え、リビングに行った。

「霧矢くん。、今日は疲れたから眠っていい?」

「朝早かったし、、、疲れてるね」

「うん。、おやすみ。」


どんなに疲れていても、いつも霧矢のシャワーを浴びるのを待ってベットに行く、、、

でも今日は違った、、、、

とりあえず霧矢はシャワーを浴びて、ベットに行くと、、

瑞希は眠っていた、、、でも、涙が流れていた、

翌朝、、瑞希は、まだ眠っていた、、、

そう、瑞希は、、嫌なことがあると眠る。

「何があったんだ?」

「瑞希?」

「んっ?ごめん。眠りすぎた?」

「ううん?」

「何かあった?」

「何もないよ?なんで?」

「眠ってたから、」

「流石に昨日は疲れたからよ、、」

「嘘だ。」

「だって、、、霧矢君、、綺麗って言ってくれなかった!!愛ちゃんばっか褒めてさ。」

「ごめん。成人式ってなんか想いに浸ってたんだよ。ずっと見てきた瑞希がこんなに大きくなってと思って、、、綺麗すぎてびっくりしたんだよ。」

「そうなの、、、?」

「それで機嫌悪かったの?」
「うん。」
「可愛い。俺は瑞希だけだから。」

「それでもいやだったの。」

「成人おめでとう!!瑞希大人になったね。」キスをしてくれた。







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