溺れる少女を助けたその日から、僕は死者に手を引かれ始める
「ケツだった。」
ゴールデンウィーク初日。
早朝の川で釣りをしていた僕は、水面を流れてくる少女を見つける。
一年前、この川では彼の幼なじみが死んだ。
だから本当は、近づきたくなかった。
それでも少女を助けるために飛び込めば、水底から伸びる“黒い手”に足首を掴まれ、川底へ引き込まれそうになる。
彼を引き上げたのは、訝屋依と名乗る胡散臭い男。
助けた少女・皿谷潜は、自分の名前以外の記憶を失っていた。
黒い手。
記憶喪失の少女。
怪異を集める男。
そして、“一年前”の記憶。
止まったままだった時間が、今少しずつ動き始める。
これは、死者に手を引かれ続ける僕と、残されたものたちの痛々しい青春怪異譚。
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黒い手。
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