排気音に、君の鼓動を混ぜて
「お前の手術が成功したら、特等席(うしろ)に乗せて海を見せてやる。だから絶対に諦めるな」
重い心臓病を抱え、白い病室から出られない少女・美咲。彼女の唯一の楽しみは、毎週土曜の深夜、外の世界の鼓動のように響く暴走族の爆音を聴くことだった。
ある夜、警察から逃れて病院の非常階段に隠れていた「黒夜」の総長・蓮と偶然出会う。
孤独を抱えて夜を駆ける少年と、檻の中で明日を夢見る少女。
交わるはずのなかった二人は、午前二時の非常階段で秘密の逢瀬を重ね、互いの生きる意味になっていく。
しかし、美咲の命のカウントダウンが始まり、成功率の低い大手術が決まってしまう。
手術当日、恐怖で意識を失いかける美咲に届いたのは、街中を震わせる「最後で最大の爆音」だった――。
孤独な総長と病弱な少女が、命を懸けて約束の海を目指す、不器用で切なすぎる純愛ストーリー。
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