【完結】生贄の小舟
生贄として捧げられる運命だった妹キキ。
しかし、儀式の三日前に妊娠していることが判明する。
代わりを出さねばならなくなった両親は、何の迷いもなく姉アッカを差し出した。
十歳の頃に行方不明となり、数日後に帰ってきてからは、島の『普通』からはかけ離れた行動をしてきたアッカ。
誰もが、彼女を惜しむ気配すら見せない。
小舟に乗せられ、流れの速い海流に乗せられたら、もう二度と帰ってくることは叶わない。
何故なら、彼女は、海に住まう神への捧げ物なのだから。
全てを分かった上で、アッカは、抵抗することすらなく船に乗る。
内心、この儀式を馬鹿馬鹿しいと思っているはずなのに。
濃い霧のなか、船が流されると、あっという間に姿は見えなくなった。
このまま、十七歳という短い人生を終えるのだろうか?
しかし、島民は知らない。
彼女に言葉と知恵を与えた存在。
そして、どちらが生贄で、どちらが勝者なのかを。
これは、生きる渇望で瞳を輝かせる一人の少女が、生への渇望を胸に羽ばたく物語。
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何故なら、彼女は、海に住まう神への捧げ物なのだから。
全てを分かった上で、アッカは、抵抗することすらなく船に乗る。
内心、この儀式を馬鹿馬鹿しいと思っているはずなのに。
濃い霧のなか、船が流されると、あっという間に姿は見えなくなった。
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