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2章:日本へ戻ってきました
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問題のマジックバック化したリュックは、アイテムボックスに入れて取り出さない様にと念を押されて終了。夜も遅くなったので、また都合のいい時にでも話そうという事に。
今度の土曜日の昼にでもという話になって、ラインを交換して電話を切ったわ。
いつもと変わらない日常を過ごすけれど…街中で見かけるカップルとか見ると、キルギスさんと手を繋いだ事とか、ぬくもりとか思い出してしまって困ったわ…
確かにはぐれたらスマホという連絡手段もないから、とは思ったけど…最悪施設に帰ればいいのよね。なんで思いつかなかったんだろう。
そんなこんなで土曜日。一応化粧もして、外に買い物に行く様な恰好で、待機してたわよ。異世界物の漫画を読みながらね!読んでおくと良いと言われたから、おすすめ物を読んでる。
うわー…いう事聞かせるために隷属の腕輪とか…奴隷制度なんかもあるのね…
ピロン♪
あ。ラインだ。開いてみれば松田さんで、今いい?という可愛らしい犬のスタンプ。それに返事を返せば、電話が鳴った。
「はい、高梨です」
『松田です。漫画読んでみました?』
「いま読んでました。ライン通話でもよかったのに」
『確かに。でもネットの容量とかどうかなと思って』
なるほど…とはいえ、制限なしだから問題ないのだと言えば、今度からそうする。と笑う。
『おすすめしたものは、世界観としてはクズな部類だからあの世界とは正反対なんだけどね~』
「そうなんですか?」
『一応、俺もあの世界に転移してから…10年経ってるからいい加減騙されてるとは思いたくないんだけど』
10年って。そう言えば年齢とか聞いてなかったけど、いつあの世界へ転移したのか聞いてみれば。
『19の時に転移して、今30。大学で経済学に通ってたんだけど…一気に生活の基盤を方向転換したよ』
余り勉強をしたくない、かといって農業や畜産へ行くのもちょっと…と思っていたので、なんとなくで経済学部にしたのだと笑う。経済学部も勉強必要では…
『うち、あ、北の方っていったけど、北海道で』
おじいさんや両親は民宿をやっていて、山で取れた山菜とか、獣…イノシシやクマ、シカ、山鳥などを料理としてだしていたけど、建物も年季入って来たし、かといって建て替えてどうこうするような資金もなく、廃業したのだとか。
だから今後の仕事の為にと経済学部の大学へと行ったという事らしい。
『でも、猟銃の免許持ってるし、解体方法なんかも知ってるから、以外とあっちでも抵抗なかったんだよね。旅館は綺麗にしてたけど、ド田舎だし』
「え、免許持ってるんですか?」
『家にある銃を処分するのもあれだし、山だからねぇ。安全の為にも?一応期間の決まりとかあるから、狩りまくるのは駄目だけど…さすがにクマとか来たらさぁ。殺さなくても威嚇だけでも意外と逃げるしね』
そ、そうなのね…そういうのとは無縁の生活だったからなぁ。
『まあ、今ではその民宿を綺麗にして住んでるんだけどね』
「…経済学は…」
『卒業はしたけど…うーん、一応は役にはたってるかなぁ。あっちで、手先が器用とかってあってさ。民宿の周りの土地もあるし、木工製品をあっちのスキルを使って作って売ってるんだけど、意外といい値段で売れてさぁ』
山の中だから、スキルを使ったとしてもバレないのだといって笑う。
『探知系もあるし、阻害系もあるから、なんとでもなるね』
「そ、ソウデスカ」
『手作りだから、制作に時間掛かるし、良い値段で売れるんだよね。こっちでは生活って…お金かかってないし』
若いからなのか、元々の性格なのか…環境が似ていた事もあるだろうけど、すごいなぁ。上手い事対応してるというか。
『所で、下世話な事聞くけど…キルギスさんとはどう?』
「ど、どうって…」
『ほら、日本人に良くありがちな、金髪碧眼に弱いとかでくらっときちゃったりとか』
まあ、確かにくらっと来たりしたわよ。手つなぎとか思い出してじたばたしてましたよ。だからといって、どう答えろと。
『あ、別にからかってるとかそういう訳じゃなくて、実は俺、あっちで結婚してて』
…爆弾発言来たわ。
今度の土曜日の昼にでもという話になって、ラインを交換して電話を切ったわ。
いつもと変わらない日常を過ごすけれど…街中で見かけるカップルとか見ると、キルギスさんと手を繋いだ事とか、ぬくもりとか思い出してしまって困ったわ…
確かにはぐれたらスマホという連絡手段もないから、とは思ったけど…最悪施設に帰ればいいのよね。なんで思いつかなかったんだろう。
そんなこんなで土曜日。一応化粧もして、外に買い物に行く様な恰好で、待機してたわよ。異世界物の漫画を読みながらね!読んでおくと良いと言われたから、おすすめ物を読んでる。
うわー…いう事聞かせるために隷属の腕輪とか…奴隷制度なんかもあるのね…
ピロン♪
あ。ラインだ。開いてみれば松田さんで、今いい?という可愛らしい犬のスタンプ。それに返事を返せば、電話が鳴った。
「はい、高梨です」
『松田です。漫画読んでみました?』
「いま読んでました。ライン通話でもよかったのに」
『確かに。でもネットの容量とかどうかなと思って』
なるほど…とはいえ、制限なしだから問題ないのだと言えば、今度からそうする。と笑う。
『おすすめしたものは、世界観としてはクズな部類だからあの世界とは正反対なんだけどね~』
「そうなんですか?」
『一応、俺もあの世界に転移してから…10年経ってるからいい加減騙されてるとは思いたくないんだけど』
10年って。そう言えば年齢とか聞いてなかったけど、いつあの世界へ転移したのか聞いてみれば。
『19の時に転移して、今30。大学で経済学に通ってたんだけど…一気に生活の基盤を方向転換したよ』
余り勉強をしたくない、かといって農業や畜産へ行くのもちょっと…と思っていたので、なんとなくで経済学部にしたのだと笑う。経済学部も勉強必要では…
『うち、あ、北の方っていったけど、北海道で』
おじいさんや両親は民宿をやっていて、山で取れた山菜とか、獣…イノシシやクマ、シカ、山鳥などを料理としてだしていたけど、建物も年季入って来たし、かといって建て替えてどうこうするような資金もなく、廃業したのだとか。
だから今後の仕事の為にと経済学部の大学へと行ったという事らしい。
『でも、猟銃の免許持ってるし、解体方法なんかも知ってるから、以外とあっちでも抵抗なかったんだよね。旅館は綺麗にしてたけど、ド田舎だし』
「え、免許持ってるんですか?」
『家にある銃を処分するのもあれだし、山だからねぇ。安全の為にも?一応期間の決まりとかあるから、狩りまくるのは駄目だけど…さすがにクマとか来たらさぁ。殺さなくても威嚇だけでも意外と逃げるしね』
そ、そうなのね…そういうのとは無縁の生活だったからなぁ。
『まあ、今ではその民宿を綺麗にして住んでるんだけどね』
「…経済学は…」
『卒業はしたけど…うーん、一応は役にはたってるかなぁ。あっちで、手先が器用とかってあってさ。民宿の周りの土地もあるし、木工製品をあっちのスキルを使って作って売ってるんだけど、意外といい値段で売れてさぁ』
山の中だから、スキルを使ったとしてもバレないのだといって笑う。
『探知系もあるし、阻害系もあるから、なんとでもなるね』
「そ、ソウデスカ」
『手作りだから、制作に時間掛かるし、良い値段で売れるんだよね。こっちでは生活って…お金かかってないし』
若いからなのか、元々の性格なのか…環境が似ていた事もあるだろうけど、すごいなぁ。上手い事対応してるというか。
『所で、下世話な事聞くけど…キルギスさんとはどう?』
「ど、どうって…」
『ほら、日本人に良くありがちな、金髪碧眼に弱いとかでくらっときちゃったりとか』
まあ、確かにくらっと来たりしたわよ。手つなぎとか思い出してじたばたしてましたよ。だからといって、どう答えろと。
『あ、別にからかってるとかそういう訳じゃなくて、実は俺、あっちで結婚してて』
…爆弾発言来たわ。
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