不幸でしあわせな子どもたち2

「苺色の部屋」

あら、また帰ってきたの?

さては、しあわせが何なのか忘れたのか、あるいは、あくびをしてしまったのね。

いいでしょう。

そこのソファーに腰掛けて。

あっ!!

その丸まった布の上には座らないで。

デリケートだから。

いい?

今から聞かせるお話は、汚れた心では聞いてはいけません。

しあわせな子どもになったつもりで聞いてね。

じゃあ、始めるわよ。





桃色のお部屋から、アルト以外の子どもたちが、出て行き、しあわせになった日。

しあわせになれなかった子どもたちがいます。

「25人の子どもたち」です。

今も、まだあくびをしていて、のんきです。

「ここから出て行っても、しあわせになれないのかなー」

大丈夫、心配はいりません。

しあわせとは、近くにあるのに、不幸がくっついていないと、気付かないものです。 

あの48人がそうだったように。

不幸で、しあわせな子どもたちにならないと気づかないのです。

さぁもう一度、一緒に追いかけましょう。

しあわせな子どもたちを‥。

まずは、この子から。
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