離縁された公女の婦人雑誌相談室 ~結婚してから帰るのは、荷造りが大変です~
ダマスク王国ナタール公爵家の公女エディットは、隣国アジュール王国のムスク公爵家へ嫁いで三年。
子供に恵まれなかったことを理由に、夫カスクドは側室アリエッタを正妻にすることを望み、エディットとの婚姻は終わった。
実家へ戻ったエディットを、家族は何も聞かず迎えてくれた。
それはありがたい。ありがたいのだが。
「……暇だわ」
公爵夫人として忙しく暮らしていた三年間から一転、することがない。
そんなある日、侍女がメイドから借りていた婦人雑誌『麗しき婦人』を手に取ったエディットは、「いつまでも夫に愛される妻でいるために」という記事を見つける。
笑顔で迎える。家庭を整える。夫の仕事に余計な口を出さない。身なりを怠らない。そして夫婦に問題が起きたら、まず妻が自分を省みる。
「……全部やったわね」
それでも離縁されたエディットは、編集部へ一通の投稿を送る。
それが掲載され、読者から次々と相談が集まり始めた。
婚約者に親しい女性がいる?「結婚なさらなければよろしいのではないでしょうか」
子供ができないのは妻の責任?「医師へ行くのであれば、ご夫婦でどうぞ。子供は妻一人では作れませんので」
そしてついに、出戻って暇を持て余していた公女は、匿名の「アルバ夫人」として婦人雑誌の相談員になる。
離縁から始まる、公女と婦人雑誌のお仕事物語。
※初日以外は6時と17時の更新となります。
子供に恵まれなかったことを理由に、夫カスクドは側室アリエッタを正妻にすることを望み、エディットとの婚姻は終わった。
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「……暇だわ」
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