婚約破棄されて捨てられたのですが、なぜか公爵様に拾われた結果……。

「単刀直入に言おう。フローラ、君との婚約は破棄させてもらう」

 婚約者であるエドワード様の言葉を聞いて、心臓が早鐘を打ちました。
 いつか言われるかもしれないと、覚悟していた言葉。
 けれど、実際に投げつけられると、足元が崩れ落ちるような感覚に襲われます。

「……理由は、私が至らないからでしょうか」

「それもある。だが決定的なのは、君のその陰湿な性格だ!」

 さらに私は、やってもいない罪を着せられそうになりました。
 反論しようにも、喉が震えて声が出ません。

 しかし、その時、一人の人物が現れました。

「この温室の管理責任者は私だ。私の庭で無粋な真似をするのは、どこのどいつだ」

「あ、あなたは……アルフレッド・フォン・リンネ公爵!?」

 エドワード様の素っ頓狂な声に、私は息を呑みました。

「彼女のアリバイなら、そこにある花が証明している」

 その言葉が、私の運命を変える一言となりました。
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