元魔王様は今世こそ平凡スローライフを開拓したい､､､のですが、元勇者（今世王子）が離れません！！！〜ベタつき具合はスライム並みです〜

開拓計画6・お父様にお会いしよう

コンコンコン

「息子よ。父だ。」

「！お入りください！！」


ヘクトールがこの部屋を出て数分
記憶を取り戻して初めての父上との対面だ



「ベットの中のままでよい。体は大丈夫か？生魚を口にして気を失ったと聞いたが」

「あっ、はい！お騒がせしました､､､今は落ち着いております」


知られていたのか､､､ちょっと恥ずかしい


父上の様子は前世と全く変わらなかった
威厳のある端正な顔つきに、俺と同じ赤黒い瞳と黒い長髪

声色も、俺をみる瞳も、何もかも


「そうか､､､。､､､記憶が戻ったと聞いたが」

「､､､はい。前世の全てを思い出しました。」

「ははっ！生魚のショックで思い出したか！ことごとく因縁深いようだな」

「それに関しては同感でしかありません､､､


あの、その
父上､､､俺は前世で､､､」


「謝るでない」

「え？」

「お前が口にしようとしていることなどわかっておる。前世での魔族の最期を我に詫びるつもりだろう。
そんなものは必要ないのだ」

「っ！いえ、ですが」





「かつて我は言ったな？お前の決断を我は父として受け入れると。それに揺るぎはないのだ。
それに、この世界の平和は、誰がなんと言おうとお前のおかげで創られたのだ。そのような業績を上げて何を俯いているのだ

我は父として、お前を誇りに思っているぞ」








父上とは、前世から何もかもが真逆だった

容姿も、威厳も

人間に対する思想も

好きな食べ物も、好みの季節も



それでも父上は俺にとって、一番尊敬する魔族で、何よりも誰よりも頼りにしていた、俺のたった1人の家族だ





魔族を終わりに導いた俺には、相当の罰が必要なのに

そんな優しい声で、そんな優しい言葉をもらってしまったら







「な"い"ぢゃう"じゃぁないですがっっっづづづ！！！！！！」
「どうした息子よっっっ！！！！！」








俺は父上の腕の中で、父上のでっかい大胸筋を鼻水と涙でびしゃびしゃにした
（後から本気で自己嫌悪した）