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剣鬼 闘技祭準備編
予測眼
『こいつらが使ってるマントは何?』
『それは擬態の能力を付与した魔道具ですよ。魔法の力で能力を物体に付与しているんです』
『叔母様の解放術式と同じような物か』
『そういう事ですね。但し、効力はそれほど長続きはしません。せいぜい1時間程度です』
『何だ、それなら持って帰ってもしょうがないや』
アイリスによるとレナが回収したのは「擬態」の能力を付与されたマントらしく、特に貴重な魔道具というわけでもなく、効果時間を過ぎれば普通のマントに戻るという。折角手に入れた代物だが、持っていても仕方ないので後で処分する事にした。
『それにしてもどうして俺の行動が見破られたんだ?まさか偶然に俺がこいつらの隠れていた場所に近づいたというわけじゃないよね?』
『いいえ、相手はレナさんの行動を先読みして刺客を配置していました。現にレナさんに対抗するために剣士ではなく、遠距離系から仕留められるように弓兵や魔術師を配置していたでしょう?』
剣鬼であるレナに勝る剣士など滅多に存在せず、腐敗竜との戦闘や闘技場で活躍したレナの存在は相手側にも伝わっているはずであり、だからこそ安全な位置から彼を仕留めるために弓矢や魔法で距離を取ってから仕留めようとしたのだろう。
『敵はどうやって俺の位置を把握している?』
『刺客を指揮しているのは「予測眼」と呼ばれる能力を持っている強者です』
『予測眼?』
『相手の姿を確認するだけで次にどのような行動を取るのか予測する能力です。まるで未来を視えているかのように相手の動向を見抜くことが出来る恐ろしい能力です』
王妃の刺客を統括するのは「予測眼」の能力を習得した人間らしく、この人物は何処かでレナの存在を確認し、そして彼がどのように行動するのかを先読みして刺客を配置したという。予測眼の能力は熟練度が高いほどにより正確な相手の動向を読み取ることが出来るらしく、まるで未来を見ているように確認出来るらしい。
『そんなにヤバい奴に俺は狙われてるのか……不味くない?』
『先程も話ましたけど、王妃は幼少の頃から手塩にかけて育てた子供達がいます。その1人が予測眼の持ち主です』
『どこで俺の姿を見られた?』
『ギルドの出入口ですよ。あそこで人込みに紛れてレナさんが戻ってくるのを監視してたんです。擬態のマントを身に着けて何もせずにじっと監視してたんですよ』
『ストーカーじゃんっ!!』
ギルドの玄関口でレナを発見した王妃の側近の騎士は即座に待機させていた森人族の刺客を呼び寄せ、彼の行動を読み取って事前に配置させていたという。もしも刺客の中にアリア並の腕利きの暗殺者がいればレナも命はなかっただろうが、寸前で存在を気付く事が出来て生き残れた。
『くそ、油断してた。絶対に捕まえてやる』
『丁度いい機会ですね。この際に予測眼の能力者を捕まえてレナさんが化けてください。その人に化けて王妃の元に潜り込みましょう』
『え?だけど、毒薬は用意してないよ?』
『丁度いい具合に倒れている人達から毒薬も拝借しましょう。但し、あまりに強い毒だと不味いので私のいう事を聞いて毒薬を弱めるように調合してくださいよ』
『調合のスキルも久しぶりに使うな』
森に暮らしていたころはレナは「調合」の技能スキルを利用して薬草を使用して魔物の肉に含まれる毒を決して食材として保管していた事もあり、独学ではあるが薬の配合も行った事がある。アイリスの指示通りに動けば簡単な毒薬の製作も可能であり、ここで予測眼の能力者を捕獲し、王妃に毒を仕込む絶好の好機を得た事になる。
『よし、まずはそいつを捕まえよう。何処に隠れてる?』
『近くの屋根の上でレナさんの様子を伺っていますよ。自分の正体が気付かれないと確信して隙を伺ってます』
『マジで?』
『刺客と同じように擬態の能力を付与されたマントを装備してますから、普通に探しても見つかりませんけどね。この人の不運はレナさんには私という味方が居たという事です』
『いつも頼りにしてるよ』
交信を遮断し、レナはアイリスの言葉を信じて周囲を見渡す。やはり肉眼では隠れている相手の姿は捉えられず、試しに「観察眼」や「気配感知」の能力を発動するが、何も怪しい物は確認できない。
(こいつは厄介な能力だな……スラミンも相手の位置を把握できないみだいだし、本当に厄介な道具だな)
アイリスの情報ではレナの正面に位置する建物の屋根の上に隠れているらしく、今現在もマントを羽織った状態で待ち伏せているはずであり、敵の姿を捉えられなければ「狙撃」のような命中力を上昇させるスキルも使用できない。
(仕方ない、こうなったら力尽くで引き出すか)
レナは掌を前に構え、相手の存在する位置に向けて「付与強化」で最大威力にまで上昇させた「風圧」の魔法を放つ。
「そこかっ!!」
「きゃあっ!?」
「……きゃあっ?」
前方に向けて強烈な突風が発生した瞬間、屋根の上に人影が出現し、妙に声が高い悲鳴が響いた。
『それは擬態の能力を付与した魔道具ですよ。魔法の力で能力を物体に付与しているんです』
『叔母様の解放術式と同じような物か』
『そういう事ですね。但し、効力はそれほど長続きはしません。せいぜい1時間程度です』
『何だ、それなら持って帰ってもしょうがないや』
アイリスによるとレナが回収したのは「擬態」の能力を付与されたマントらしく、特に貴重な魔道具というわけでもなく、効果時間を過ぎれば普通のマントに戻るという。折角手に入れた代物だが、持っていても仕方ないので後で処分する事にした。
『それにしてもどうして俺の行動が見破られたんだ?まさか偶然に俺がこいつらの隠れていた場所に近づいたというわけじゃないよね?』
『いいえ、相手はレナさんの行動を先読みして刺客を配置していました。現にレナさんに対抗するために剣士ではなく、遠距離系から仕留められるように弓兵や魔術師を配置していたでしょう?』
剣鬼であるレナに勝る剣士など滅多に存在せず、腐敗竜との戦闘や闘技場で活躍したレナの存在は相手側にも伝わっているはずであり、だからこそ安全な位置から彼を仕留めるために弓矢や魔法で距離を取ってから仕留めようとしたのだろう。
『敵はどうやって俺の位置を把握している?』
『刺客を指揮しているのは「予測眼」と呼ばれる能力を持っている強者です』
『予測眼?』
『相手の姿を確認するだけで次にどのような行動を取るのか予測する能力です。まるで未来を視えているかのように相手の動向を見抜くことが出来る恐ろしい能力です』
王妃の刺客を統括するのは「予測眼」の能力を習得した人間らしく、この人物は何処かでレナの存在を確認し、そして彼がどのように行動するのかを先読みして刺客を配置したという。予測眼の能力は熟練度が高いほどにより正確な相手の動向を読み取ることが出来るらしく、まるで未来を見ているように確認出来るらしい。
『そんなにヤバい奴に俺は狙われてるのか……不味くない?』
『先程も話ましたけど、王妃は幼少の頃から手塩にかけて育てた子供達がいます。その1人が予測眼の持ち主です』
『どこで俺の姿を見られた?』
『ギルドの出入口ですよ。あそこで人込みに紛れてレナさんが戻ってくるのを監視してたんです。擬態のマントを身に着けて何もせずにじっと監視してたんですよ』
『ストーカーじゃんっ!!』
ギルドの玄関口でレナを発見した王妃の側近の騎士は即座に待機させていた森人族の刺客を呼び寄せ、彼の行動を読み取って事前に配置させていたという。もしも刺客の中にアリア並の腕利きの暗殺者がいればレナも命はなかっただろうが、寸前で存在を気付く事が出来て生き残れた。
『くそ、油断してた。絶対に捕まえてやる』
『丁度いい機会ですね。この際に予測眼の能力者を捕まえてレナさんが化けてください。その人に化けて王妃の元に潜り込みましょう』
『え?だけど、毒薬は用意してないよ?』
『丁度いい具合に倒れている人達から毒薬も拝借しましょう。但し、あまりに強い毒だと不味いので私のいう事を聞いて毒薬を弱めるように調合してくださいよ』
『調合のスキルも久しぶりに使うな』
森に暮らしていたころはレナは「調合」の技能スキルを利用して薬草を使用して魔物の肉に含まれる毒を決して食材として保管していた事もあり、独学ではあるが薬の配合も行った事がある。アイリスの指示通りに動けば簡単な毒薬の製作も可能であり、ここで予測眼の能力者を捕獲し、王妃に毒を仕込む絶好の好機を得た事になる。
『よし、まずはそいつを捕まえよう。何処に隠れてる?』
『近くの屋根の上でレナさんの様子を伺っていますよ。自分の正体が気付かれないと確信して隙を伺ってます』
『マジで?』
『刺客と同じように擬態の能力を付与されたマントを装備してますから、普通に探しても見つかりませんけどね。この人の不運はレナさんには私という味方が居たという事です』
『いつも頼りにしてるよ』
交信を遮断し、レナはアイリスの言葉を信じて周囲を見渡す。やはり肉眼では隠れている相手の姿は捉えられず、試しに「観察眼」や「気配感知」の能力を発動するが、何も怪しい物は確認できない。
(こいつは厄介な能力だな……スラミンも相手の位置を把握できないみだいだし、本当に厄介な道具だな)
アイリスの情報ではレナの正面に位置する建物の屋根の上に隠れているらしく、今現在もマントを羽織った状態で待ち伏せているはずであり、敵の姿を捉えられなければ「狙撃」のような命中力を上昇させるスキルも使用できない。
(仕方ない、こうなったら力尽くで引き出すか)
レナは掌を前に構え、相手の存在する位置に向けて「付与強化」で最大威力にまで上昇させた「風圧」の魔法を放つ。
「そこかっ!!」
「きゃあっ!?」
「……きゃあっ?」
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