文字の大きさ
大
中
小
283 / 2,093
闘技祭 決戦編
魔術師としても一流
(流石に多くなってきたな。よし、そろそろ魔法を使うか)
レナは両手を構えて自分を取り囲む兵士に視線を向け、決して正体が気付かれないようにしなければならない。剣を使えば剣筋で見抜かれる恐れもあり、ここは素手と魔法で対処を行う。
「槍を構えろ!!迂闊に近づくな!!」
「よし、やれ!!」
「逃がすなっ!!」
円を描くように取り囲んだ兵士達は槍を構えて同時に突き出す。しかし、それを見たレナは得意の「跳躍」で上空へと回避すると、空中で身体を回転させながら兵士の背後に着地する。そして鎧を身に付けた兵士に向けて両手を突き出す。
「ふっ!!」
「ぐああっ!?」
「何だと!?」
「こ、これは……格闘家の発徑か!!」
掌を押し当てた状態で風圧の魔法を叩きつける「衝風」を撃ち込まれた二人の兵士は吹き飛び、その光景を見た兵士を統率する隊長がレナの格闘家の職業の人間が扱える「発徑」の戦技だと勘違いする。実際の発徑は体内に衝撃を送り込む戦技であり、レナの衝風は至近距離から衝撃波を与える複合戦技なので厳密には違うが、どちらの戦技も相手に衝撃を与えるという点では酷似しているので見間違えても仕方がない。
「こ、この!!」
「ふんっ!!」
「うぐぁっ!?」
後ろから斬りかかろうとした兵士をレナは振り返りもせずに蹴り飛ばし、更に近くに存在した兵士から槍を奪い取ると戦技を発動させる。
「回転」
「うおおっ!?」
「ぐあっ!?」
「げふぅっ!?」
槍を回転させて近くにいた兵士達に叩きつけるが、奪い取った木造製の槍は数人の兵士を叩きつけた所で折れてしまい、レナは二つに折れた槍を見て溜息を吐きながら地面に落とす。武器の品質が悪かったという理由もあるが、レナ自身が槍の扱いに長けていないので簡単に折れてしまう。
(どうも槍は苦手だな。剣の方が性に合うんだけどな……我慢我慢)
その気になれば兵士から剣を奪い取る事も容易いが、そんな事をしてしまえば相手を殺しかねず、正体が気付かれてしまう恐れがある。王国の兵士は王妃に従っているが別に彼等に罪があるわけではなく、兵士達はあくまでも自分の職務を全うしているだけなので悪意はない。そのため、レナとしても不用意に殺害するのは避けたかった。
(ここは派手に行きますか……久しぶりの合成魔術だ!!)
両手を重ねてレナは意識を集中させ、初級魔法の「風圧」と支援魔法の「付与強化」を発動させて三日月状の風の刃を放つ。
「はあっ!!」
『ぎゃあああっ!?』
「な、なんだ!?」
「魔法かっ!?」
レナの前方に存在した兵士達は強烈な風圧を受けて吹き飛び、その光景を見ていた観光客達は驚愕する。その一方でレナは今度は後方に存在する兵士達に視線を向け、今度は「風圧」と「火球」を組み合わせた「火炎槍」を放つ。
「ふんっ!!」
「うわぁっ!?」
「あつっ!!熱い!?」
「あぢぃっ!?」
攻撃範囲が狭いので魔法を受けた人数は少なかったが、火炎の槍を受けた兵士達は悲鳴を上げて倒れこみ、必死に自分の身体に纏わりついた炎を振り払う。その様子を確認したレナは拳を握りしめ、技術スキルの「重撃」と初級魔法の「電撃」を組み合わせた一撃を放つ。
「どらぁっ!!」
「ぐぇえっ!?」
「うわぁっ!?」
「ぎゃあっ!?」
大柄の兵士に向けてレナの拳が叩きつけられた瞬間、強烈な衝撃と電撃が兵士に襲い掛かり、そのまま後方に吹き飛んで他の兵士を巻き込む。その光景を確認したレナは一息吐くと、剣無しでも十分に戦える事を確認する。
(久しぶりだな……この感覚。森で暮らしていた頃を思い出すよ)
ウルと共に深淵の森で暮らしていた頃を思い出し、昔は剣の技術が未熟だったので魔法を主体にして魔物と戦っていた事を思い返す。しかし、そんな感慨深げに浸っているレナの元に一筋の光が襲う。
「フレイムランス!!」
「うわっ!?」
声を聞いた瞬間にレナは咄嗟に身体を一歩後退させると、先ほどまで頭部が存在した位置に熱線が通過し、直後に数メートル離れていた壁が爆発する。その衝撃に観光客は悲鳴を上げ、付近に存在した兵士達も慌てて離れた。
(今のは火属性の砲撃魔法……おいおい、こんなに人が居る場所で何を考えているんだ?)
レナは燃え盛る壁に視線を向け、魔法で生み出した現象は消失が速いので闘技場が放火する恐れはないが、それでも大勢の人間がいる場所で威力に特化した砲撃魔法が放たれた事に動揺を隠せない。下手をしたら兵士どころか一般人も巻き込んでいたかもしれず、レナは魔法が撃ち抜かれた方向に視線を向ける。
「ふむ……今のを避けるか」
「き、貴様!!何を考えている!?こんな場所で砲撃魔法など……!!」
砲撃魔法を発動させたのはどうやら兵士の一人らしいが、兜を深く被って顔を覆い隠しており、何故かこの兵士だけが魔法使いの扱う杖を握りしめていた。すぐに隊長が無断で魔法を放った兵士に怒声を浴びせるが、相手は気にした風もなくレナに杖先を構える。
レナは両手を構えて自分を取り囲む兵士に視線を向け、決して正体が気付かれないようにしなければならない。剣を使えば剣筋で見抜かれる恐れもあり、ここは素手と魔法で対処を行う。
「槍を構えろ!!迂闊に近づくな!!」
「よし、やれ!!」
「逃がすなっ!!」
円を描くように取り囲んだ兵士達は槍を構えて同時に突き出す。しかし、それを見たレナは得意の「跳躍」で上空へと回避すると、空中で身体を回転させながら兵士の背後に着地する。そして鎧を身に付けた兵士に向けて両手を突き出す。
「ふっ!!」
「ぐああっ!?」
「何だと!?」
「こ、これは……格闘家の発徑か!!」
掌を押し当てた状態で風圧の魔法を叩きつける「衝風」を撃ち込まれた二人の兵士は吹き飛び、その光景を見た兵士を統率する隊長がレナの格闘家の職業の人間が扱える「発徑」の戦技だと勘違いする。実際の発徑は体内に衝撃を送り込む戦技であり、レナの衝風は至近距離から衝撃波を与える複合戦技なので厳密には違うが、どちらの戦技も相手に衝撃を与えるという点では酷似しているので見間違えても仕方がない。
「こ、この!!」
「ふんっ!!」
「うぐぁっ!?」
後ろから斬りかかろうとした兵士をレナは振り返りもせずに蹴り飛ばし、更に近くに存在した兵士から槍を奪い取ると戦技を発動させる。
「回転」
「うおおっ!?」
「ぐあっ!?」
「げふぅっ!?」
槍を回転させて近くにいた兵士達に叩きつけるが、奪い取った木造製の槍は数人の兵士を叩きつけた所で折れてしまい、レナは二つに折れた槍を見て溜息を吐きながら地面に落とす。武器の品質が悪かったという理由もあるが、レナ自身が槍の扱いに長けていないので簡単に折れてしまう。
(どうも槍は苦手だな。剣の方が性に合うんだけどな……我慢我慢)
その気になれば兵士から剣を奪い取る事も容易いが、そんな事をしてしまえば相手を殺しかねず、正体が気付かれてしまう恐れがある。王国の兵士は王妃に従っているが別に彼等に罪があるわけではなく、兵士達はあくまでも自分の職務を全うしているだけなので悪意はない。そのため、レナとしても不用意に殺害するのは避けたかった。
(ここは派手に行きますか……久しぶりの合成魔術だ!!)
両手を重ねてレナは意識を集中させ、初級魔法の「風圧」と支援魔法の「付与強化」を発動させて三日月状の風の刃を放つ。
「はあっ!!」
『ぎゃあああっ!?』
「な、なんだ!?」
「魔法かっ!?」
レナの前方に存在した兵士達は強烈な風圧を受けて吹き飛び、その光景を見ていた観光客達は驚愕する。その一方でレナは今度は後方に存在する兵士達に視線を向け、今度は「風圧」と「火球」を組み合わせた「火炎槍」を放つ。
「ふんっ!!」
「うわぁっ!?」
「あつっ!!熱い!?」
「あぢぃっ!?」
攻撃範囲が狭いので魔法を受けた人数は少なかったが、火炎の槍を受けた兵士達は悲鳴を上げて倒れこみ、必死に自分の身体に纏わりついた炎を振り払う。その様子を確認したレナは拳を握りしめ、技術スキルの「重撃」と初級魔法の「電撃」を組み合わせた一撃を放つ。
「どらぁっ!!」
「ぐぇえっ!?」
「うわぁっ!?」
「ぎゃあっ!?」
大柄の兵士に向けてレナの拳が叩きつけられた瞬間、強烈な衝撃と電撃が兵士に襲い掛かり、そのまま後方に吹き飛んで他の兵士を巻き込む。その光景を確認したレナは一息吐くと、剣無しでも十分に戦える事を確認する。
(久しぶりだな……この感覚。森で暮らしていた頃を思い出すよ)
ウルと共に深淵の森で暮らしていた頃を思い出し、昔は剣の技術が未熟だったので魔法を主体にして魔物と戦っていた事を思い返す。しかし、そんな感慨深げに浸っているレナの元に一筋の光が襲う。
「フレイムランス!!」
「うわっ!?」
声を聞いた瞬間にレナは咄嗟に身体を一歩後退させると、先ほどまで頭部が存在した位置に熱線が通過し、直後に数メートル離れていた壁が爆発する。その衝撃に観光客は悲鳴を上げ、付近に存在した兵士達も慌てて離れた。
(今のは火属性の砲撃魔法……おいおい、こんなに人が居る場所で何を考えているんだ?)
レナは燃え盛る壁に視線を向け、魔法で生み出した現象は消失が速いので闘技場が放火する恐れはないが、それでも大勢の人間がいる場所で威力に特化した砲撃魔法が放たれた事に動揺を隠せない。下手をしたら兵士どころか一般人も巻き込んでいたかもしれず、レナは魔法が撃ち抜かれた方向に視線を向ける。
「ふむ……今のを避けるか」
「き、貴様!!何を考えている!?こんな場所で砲撃魔法など……!!」
砲撃魔法を発動させたのはどうやら兵士の一人らしいが、兜を深く被って顔を覆い隠しており、何故かこの兵士だけが魔法使いの扱う杖を握りしめていた。すぐに隊長が無断で魔法を放った兵士に怒声を浴びせるが、相手は気にした風もなくレナに杖先を構える。
感想 5,097
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
スキルを奪われてお詫びチートをもらったので余生を楽しく……過ごさせてくれ
異世界に召喚されたその日、巻き込まれた青年に俺が得るはずだったスキルを奪われた。
お詫びとしてチートスキルを授かった俺は、第二の人生くらい好きに生きようと旅に出る。
行き着いた先は、寂れた町の場末の酒場だ。
なぜか客は男ばかりだが、日雇い冒険者や恐妻家の肉屋たちとの気楽な毎日は悪くない。
……ただ一人、どう見ても貴族のような美青年がこの地味な酒場へ通ってくる理由だけは、さっぱりわからない。
「お前らツケはやめろ」
そんな穏やかな日々を送っていたはずなのに、ある日、酒場へ厄介な依頼が舞い込んできた――。
他サイトでも掲載しています。
不定期更新です。
真の皇帝は俺です ~面倒だから幼なじみに帝位を任せていたら、婚約者に捨てられました。正体を明かしたら全員後悔してももう遅い~
皇帝の仕事が面倒だったレインは、信頼する幼なじみアレクシスに表向きの皇帝を任せ、自身は陰から帝国を支えていた。
だがある日、婚約者エミリアは「権力も将来性もない」と彼を見限り婚約破棄を宣言する。
しかし彼女は知らなかった。
帝国を動かしていた真の支配者が誰なのかを。
これは全てを持ちながら隠していた男と、見るべきものを見失った者たちの後悔の物語。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
祝 書籍化決定!!
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
コミカライズ企画進行中です!!
3巻発売です!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&3巻出版!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、コミカライズ決定いたしました!現在企画進行中!!そしてオリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
12日には、楽天koboにおいてファンタジー5位となりました!皆様のおかげです!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(3巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
夏にはいよいよコミカライズ連載開始予定です!乞うご期待!!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
オリコンランキングライトノベル 週間BOOKランキング 18位(2025年9月29日付)