霧の離島と茶道の理:紅珊瑚の瘴気と黄金の雫
透明なデジタル文明を誇る王都・台北。その輝きの影で、人々の忘れたい記憶(未練)が沈殿する「世界のゴミ捨て場」と呼ばれる離島があった。
名を――小琉球。
そこを覆うのは、吸い込めば肺を石に変え、触れれば記憶を磨り潰す「紅珊瑚の霧」。
没落貴族の次女・リンファは、逃亡した姉の身代わりとして、石化の呪いに侵された孤独な領主・ハオランのもとへ嫁ぐことになる。
「ここには色彩も、救いもない。あるのは石が軋む音だけだ」
拒絶するハオランに対し、リンファが差し出したのは一服の茶。
茶葉に宿る「太陽の記憶」が湯気と共に解き放たれた時、死に体の世界が鮮烈な色彩を取り戻し始める――。
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