【完結】僻地がいざなう聖女の末裔
聖女の末裔であるセレルは父母が他界した後、義母妹と暮らしていたが、日々は彼女たちの豊かな生活を支えるための道具作りに費やされていた。
唯一の味方だと思っていた幼馴染も、繁盛している道具屋の支配人の地位を得るため、妹と結婚すると婚約破棄を言い渡し、セレルを惑いの森に追放する。死を覚悟したその時、血まみれの男が現れた。
「触るな……」
長いまつげに縁どられた瞳が、牙をむく狂犬のようにぎらつく。
息をのむほどの美貌だった。
繊細な女性のように薄い色素の美形で、身につけているものはひどく傷ついていたが、よく見ると王族や高位の貴族のような格式のあるものを着ている。
セレルは面食らったが素知らぬ顔をした。
「触るな? 触るよ。だいじょうぶ。私、あなたのこと治すから」
「無理だ。俺はもう助からない」
「でもあなたはここまでやってきた。どうして?」
「うるさい」
「助かりたかったんでしょ」
「うるさい、触るな」
*
閲覧ありがとうございます、完結しました!
シリアスとコメディ混在のファンタジーです。恋愛要素あり。
お試しいただけると嬉しいです!
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「触るな? 触るよ。だいじょうぶ。私、あなたのこと治すから」
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