宝石の加工屋さん


 ひとりの女が、ひとり娘を亡くして咽ぶ王妃に言った。

『この花を差し上げましょう』

 差し出されたのは、花。
 紅い、何処にでもあるような花だった。
 しかし、何処にもない花だった。

 陽光を浴びて綺羅綺羅と輝く花。
 月明かりを浴びて深深と艶めく花。

 それは、花ではなく宝石だった。
 生花と変わらぬ佇まいで、美しさはより一層。
 王妃は問う。
『この花は、一体どうして…』
 女は微笑んだ。美しく、虚ろに。

『そちらはわたくしが造りました。美しい王女への餞に』

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