異世界でDP稼いでたら女神って呼ばれちゃった

12章最終決戦

241話 ベルズの成長

『って訳だから実行して頂戴ベルズ』


我はベルズ・ドイ・バレントルド、東の魔族の領地を率いている。

今日は我の師であるマコッチから通信というスキルで連絡が届いたのだ。


『う、うむ分かった、しかし我は心配だ、ほんとに我が単独で交渉をするのか？』


そうなのだ、事前に作戦の話はしているのだが、我がマコッチを通さず北の魔王と交渉してほしいと言われたのだ、我は自信がないのだよ。


『あら！？ベルズは既にかなりの交渉術を持ってるわ、自信を持ちなさい』


話し合いでもマコッチはそう言ってくれた、だがマコッチ以外で交渉をしたことが無い、それにいつもダメ出しを受けるのだ、ほんとに平気なのかと心配でしょうがないのだよ。


『しかしだなマコッチ』


『じゃあもしうまく交渉が出来たら何かご褒美をあげるわ、なんでも言っていいわよ』



それを聞いて我はあることを計画した、我はかなり前から叶えたい願いがあるのだ。


『本当かマコッチ！？なんでも良いのだな』


『ええ、私に出来る事なら良いわよ、もう何かあるのかしら？』


いかんいかん、つい熱が入ってしまった、ここはまだ言わない方が良い、成功して直にマコッチに言わないとな。


『通信ではなくマコッチに直接伝えたいな、交渉が済み次第こちらに来てくれ』


『ふふ、いいわよぉさっきと違って随分自信が出てきたわね、これなら安心して任せられそう、頑張ってね』


我が返事を返すと通信が切れた。


「マコッチが安心か、これは我も頑張らないとな、ジェネルイ北の情報をこちらにもってこい」


「承知しました」


しばらくしてジェネルイが資料を持ってきた。


「ふむ、西と戦っていた割には戦力が減ってないな」


「はい、恐らく北の魔王の作戦がうまくいったと思われます」


なるほど、これは相手は相当に頭の切れる者なのだな。


「ジェネルイ北に使者を出せ、ダンジョンに入ると相手の思うつぼだと知らせるのだ」


「知らせるだけですか？」


ジェネルイが質問をしてきた、今はそれでいいのだよ。


「ああ、北は今勢いがある、こちらの情報に耳を傾けないだろう」


「なるほど、大打撃を受けてから交渉に入るわけですね、さすがです、直ちに使者を向かわせます」


ジェネルイが走って行った、それを見ながらゴウファンが部屋に入ってきた。


「魔王様、大会から帰ってまいりました」


「ご苦労だった、それでどうであった？報告書は届いたが好成績だったと書いてあるだけだったぞ、もう少し詳しく書いてくれ」


ゴウファンの報告書は、最初から最後まで何故か断片的だった、フェアリーたちが空から降りてきたとか、人形が先生をしていたとか、その人形からマコッチの魔力を感じたとか良く解らない事だらけだ。


「そ、それは申し訳ありませんでした、向こうで色々ありまして、頭が追い付かなかったのです」


頭を下げて謝罪してきたので詳細を聞いた。


「なるほど、それは混乱しても仕方ないな、それにしても鎧の魔装か、なかなかに使えそうだな」


「はい、さすがマコッチ様です！あれが無ければ上位は狙えませんでしたよ」


生徒の緊張などがあり少し不利だったらしい、だがあの鎧を付けると緊張が和らぎ、落ち着くらしい。


「ふむ、今度マコッチにそこら辺も聞いてみる事にしよう、それでゴウファン、帰ってきてすぐで悪いのだがマーコト商会に行って作戦を決行することを伝えてくれ」


「それは！？分かりました、ではついに魔王様がマコッチ様に言うのですね」


ゴウファンが何か言っている、それはこれが終わってからだ、必ず成功させるが今は後だ。


「成功したらな、急げよゴウファン」


「はい魔王様、では私もこれが成功したら魔王様に言う事がございます、覚悟してください」


そう言ってすごい良い笑顔で部屋を出て行った。


「一体何を言うつもりだゴウファン、まあいい、今は作戦を進める事だ、北が疲弊するのは2か月後だろうからな」


我は支援や援軍などの準備を進め始めた。