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17 皇帝の妻で聖女で
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「……今の婚約者のためにリゼットを追い出したというのはデマだと?」
「そうです。リゼットが私の婚約者だったことはありませんから」
「では、なぜリゼットを追い出した?」
言葉が通じないことに苛立つように、パトリックはため息をつく。
「先ほども言ったではないですか。追い出してはいないと。聖女が行方不明になったのです。ああ、リゼットはもしかしたら私と婚約を望んでいて、それが叶わないと知って国を出て行ってしまったのかもしれませんが……それだったらすまない。しかし、祖国を見捨てて行くのはひどい。自分でもわかっているだろう?」
パトリックの視線が、リゼットに向けられ、諌めるように言った。
リゼットはカッとなってディーの腕に爪を立てた。繋いでいた手が離れる。
しかし飛びかかる前に、今度は腰にたくましい腕が回された。リゼットはその腕から逃れられず、しかし気持ちは高ぶって、声を荒げて吐き捨てた。
「ふざけないで! そっちが私を捨てたんでしょう。 ユリさんを聖女にしたかったのか、結婚したかったのか知らないけど、私を偽物扱いして国から追い出したくせに」
一瞬驚いたような顔をしたパトリックは、すぐに哀れむかのような視線を寄越す。
「どうしてそんなことを言うんだ? 事実無根だ。証拠がないだろう? まさか、皇帝陛下は彼女の戯言を信じたのですか?」
パトリックが馬鹿にするかのように、鼻を鳴らす。
「このっ!」
とびかかりそうな勢いのリゼットの腰を、ディーはつかんで離さない。
バタバタと暴れるが、それも力ずくで抑えられてしまう。口を開いて罵しろうとすれば、その口をディーの方手が覆った。
かろうじてリゼットはパトリックを口汚くののしることなく済んでいた。ディーがいなければ、今にも掴みかかっていただろう。聖女のイメージダウンも著しいことになりかねないので感謝すべきところだが、リゼットは荒ぶる気持ちを無理やり抑えることができずに、ディーに苛立ちをぶつけるように腕に爪をたてる。
「あなたの言葉にも証拠はないだろうが」
人目を憚らず暴れるリゼットを押さえつけるディーは、低い声で囁くように言った。
「王族である私の言葉こそが証拠です。聖女が言うよりずっと説得力があるでしょう?」
「……本気で言っているのか」
ディーはさらに声を低くして尋ねた。
帝国では、聖女の力はある意味絶対だ。
なんといっても神が愛した存在なのだから。何も力を持たない王族よりも、神に愛された聖女を民が信じるのは、当たり前と言える。
聖女の言葉に国が左右されることすらある。だからこその王族との婚姻なのだ。聖女を制御している。ということを形だけでも民に見せるため。
そうしなければならないほど、聖女の言葉には力があるということである。
王族が黒といっても、聖女が白と言えば覆ることすらある。そういう時代だ。
それは本来アルサンテでも同じ。同じ目的で聖女を王族と婚姻させるという風習ができていたはずだが。しかし、パトリックはそうは思っていないのだ。
「あたりまえでしょう?」
不思議そうに、パトリックは首を傾げた。
「聖女の言葉がどれほど力があっても、王族の言葉はもっと力がありますよ。聖女が黒といっても、我々王族が白と言えば白になる。当然のことでしょう?」
パトリックは不思議そうに言った。
「話にならない」
ディーは小さくため息をつく。
今回のことも、民に知られれば民はリゼットを推すだろう。
しかもパトリックは他国の王子だ。信じる理由は何もない。
「王族が言ったから証拠になる? だから聖女が言ってることは嘘だ? そんな常識知らずな言葉を真に受けてリゼットをそちらへ渡すと本気でお思いか?」
「常識知らず? 当然のことでは?」
「馬鹿な……。聖女の言葉こそ信じる。それが我が国だ。あなたが、いや、そちらの国がどうであれ、我が帝国ではそれこそが真実。証拠もないあなたの言葉を信じる理由がない」
ディーが言い切ると、パトリックはおかしなものでも見るような目でディーを見つめた。それが不敬だと思ってもいないようだ。彼は一国の王子だが、相手は大陸一の帝国の王。さてどちらに力があるかなど一目瞭然。のはずなのだが。
「王族より? 聖女? 不思議なことをおっしゃるのですね。聖女は王族のものではないですか」
「ものか……ならばこういう言い方なら納得するか?」
ディーはリゼットの腰を再び強く抱きしめると、リゼットの握りしめられていた手を取って、指を絡めた。
するりと絡みつくような指に、びくりとリゼットが震える。リゼットの手をさらに強く握って、ディーはうっすらと笑った。
「俺の次期皇后の言葉を、俺は信じる」
一瞬、沈黙。
その後、わっと声が上がった。
それは歓声に近かった。
長らく発表されていなかった、しかしいずれ必ずそうなると信じられていた、皇帝と聖女の結婚。それが今、皇帝の口から飛び出したのだ。
リゼットは茫然とディーを見上げた。
ずっと高いところにある瞳が、一瞬リゼットを見下ろし、すぐにパトリックに向けられる。
「そうです。リゼットが私の婚約者だったことはありませんから」
「では、なぜリゼットを追い出した?」
言葉が通じないことに苛立つように、パトリックはため息をつく。
「先ほども言ったではないですか。追い出してはいないと。聖女が行方不明になったのです。ああ、リゼットはもしかしたら私と婚約を望んでいて、それが叶わないと知って国を出て行ってしまったのかもしれませんが……それだったらすまない。しかし、祖国を見捨てて行くのはひどい。自分でもわかっているだろう?」
パトリックの視線が、リゼットに向けられ、諌めるように言った。
リゼットはカッとなってディーの腕に爪を立てた。繋いでいた手が離れる。
しかし飛びかかる前に、今度は腰にたくましい腕が回された。リゼットはその腕から逃れられず、しかし気持ちは高ぶって、声を荒げて吐き捨てた。
「ふざけないで! そっちが私を捨てたんでしょう。 ユリさんを聖女にしたかったのか、結婚したかったのか知らないけど、私を偽物扱いして国から追い出したくせに」
一瞬驚いたような顔をしたパトリックは、すぐに哀れむかのような視線を寄越す。
「どうしてそんなことを言うんだ? 事実無根だ。証拠がないだろう? まさか、皇帝陛下は彼女の戯言を信じたのですか?」
パトリックが馬鹿にするかのように、鼻を鳴らす。
「このっ!」
とびかかりそうな勢いのリゼットの腰を、ディーはつかんで離さない。
バタバタと暴れるが、それも力ずくで抑えられてしまう。口を開いて罵しろうとすれば、その口をディーの方手が覆った。
かろうじてリゼットはパトリックを口汚くののしることなく済んでいた。ディーがいなければ、今にも掴みかかっていただろう。聖女のイメージダウンも著しいことになりかねないので感謝すべきところだが、リゼットは荒ぶる気持ちを無理やり抑えることができずに、ディーに苛立ちをぶつけるように腕に爪をたてる。
「あなたの言葉にも証拠はないだろうが」
人目を憚らず暴れるリゼットを押さえつけるディーは、低い声で囁くように言った。
「王族である私の言葉こそが証拠です。聖女が言うよりずっと説得力があるでしょう?」
「……本気で言っているのか」
ディーはさらに声を低くして尋ねた。
帝国では、聖女の力はある意味絶対だ。
なんといっても神が愛した存在なのだから。何も力を持たない王族よりも、神に愛された聖女を民が信じるのは、当たり前と言える。
聖女の言葉に国が左右されることすらある。だからこその王族との婚姻なのだ。聖女を制御している。ということを形だけでも民に見せるため。
そうしなければならないほど、聖女の言葉には力があるということである。
王族が黒といっても、聖女が白と言えば覆ることすらある。そういう時代だ。
それは本来アルサンテでも同じ。同じ目的で聖女を王族と婚姻させるという風習ができていたはずだが。しかし、パトリックはそうは思っていないのだ。
「あたりまえでしょう?」
不思議そうに、パトリックは首を傾げた。
「聖女の言葉がどれほど力があっても、王族の言葉はもっと力がありますよ。聖女が黒といっても、我々王族が白と言えば白になる。当然のことでしょう?」
パトリックは不思議そうに言った。
「話にならない」
ディーは小さくため息をつく。
今回のことも、民に知られれば民はリゼットを推すだろう。
しかもパトリックは他国の王子だ。信じる理由は何もない。
「王族が言ったから証拠になる? だから聖女が言ってることは嘘だ? そんな常識知らずな言葉を真に受けてリゼットをそちらへ渡すと本気でお思いか?」
「常識知らず? 当然のことでは?」
「馬鹿な……。聖女の言葉こそ信じる。それが我が国だ。あなたが、いや、そちらの国がどうであれ、我が帝国ではそれこそが真実。証拠もないあなたの言葉を信じる理由がない」
ディーが言い切ると、パトリックはおかしなものでも見るような目でディーを見つめた。それが不敬だと思ってもいないようだ。彼は一国の王子だが、相手は大陸一の帝国の王。さてどちらに力があるかなど一目瞭然。のはずなのだが。
「王族より? 聖女? 不思議なことをおっしゃるのですね。聖女は王族のものではないですか」
「ものか……ならばこういう言い方なら納得するか?」
ディーはリゼットの腰を再び強く抱きしめると、リゼットの握りしめられていた手を取って、指を絡めた。
するりと絡みつくような指に、びくりとリゼットが震える。リゼットの手をさらに強く握って、ディーはうっすらと笑った。
「俺の次期皇后の言葉を、俺は信じる」
一瞬、沈黙。
その後、わっと声が上がった。
それは歓声に近かった。
長らく発表されていなかった、しかしいずれ必ずそうなると信じられていた、皇帝と聖女の結婚。それが今、皇帝の口から飛び出したのだ。
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