元悪役令嬢はオンボロ修道院で余生を過ごす

修道院とは

「工事は順調みたいだね」

「おかげさまで」

　修復工事が始まり半月が経過、外装はほぼ終わり現在は内装の工事をやっている。

　今日は　リコット様が見に来てくれました。

「ところで庭にある遊具は？」

「あぁ、大工さんが廃材を使って作ってくれたんです。捨てる物なら使わなきゃ勿体無いと思いましてお願いしたんです」

　修道院の前にちょっとした広場を作りブランコやシーソー等遊具を設置した。

「広場で相談を聞いていると子供がいて働きに出る事が出来ない、という声を聞いてここで預かるのも手ではないか、と」

「修道院ってそんな事もやるんだ、思っていたイメージと違うな」

「イメージと言うと？」

「罪を犯した令嬢が修道院に収容される、って言う話を聞くからもっと厳しい所かなと思っていたんだ」

「一般的にはそんなイメージが強いですね」

　実際私もそう思っていたし。

　だが、実際入ってみると誤解していた部分があった。

「修道院と言ってもピンからキリまであるんですよ。リコット様が言っているのは『特別修道院』の事ですよ」

「特別修道院？」

「はい、貴族専用の修道院で罪を犯した者の更生を目的にしているんです」

「レスナー嬢はそこには行ってないんだ？」

「私は罪を犯していませんからね、自らの意志で入ったので。特別修道院は特に規律が厳しいですからね、彼処から出るのは余程品行方正でないと。あそこのシスターは人を見る目が厳しいみたいですからね」

「随分と見知った様な事を言うね」

「そこに入っていた方から聞いたんですよ、研修中に」

　その人はかなり疲れた顔をしていたなぁ。