アイスコーヒーから打ち上げ花火

築数十年の古びたマンションや近所の住人たちは、その日、ポンポンポンという音を耳にした。真っ昼間からどこかで花火を打ち上げているらしい。

アイスコーヒーから元彼女のこと思い出していた男。マンションの秘密基地がバレてしまった社長。ある映画監督の名前を思い出そうとする中年男性。果実店の手提げ袋から思わぬ出会いをした女性。そして、高校時代に男子と花火を見る約束をした主婦。

それぞれの想いにとらわれながら見上げた空には、打ち上げ花火があった。
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