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第四章 自由な生活
第74話 コンセルジュ
しおりを挟む「あの、本当にこれ買うんですか?」
「はい!」
「そうですか…」
なんだか、随分と含みがある言い方なな気がする。
「あの、エルミナを買うとなにか問題があるんですか?」
「いえ、特に問題はありませんよ…ですが、こう何というか…凄い体をしているじゃないですか? お腹こそ出ていませんが胸もお尻も大きくて太腿もむちっとしていて、普通は買わない奴隷ですよ!」
それが良いんじゃないか?
スレンダーな美人と違って触り心地が良いに決まっている。
『モチムチ』って最高じゃないかな?
ただ、それを熱く語る事は俺には出来ないな。
「そうですか? 俺はこの位肉付きの良い方が好みですね」
それだけどうにか伝えた。
しかし、凄いな…
この世界に来てから、殆どの女性は凄く可愛いいか、美人が多いがこういう肉付きの良い子は少数派だ。
事実、この奴隷市場にもエルミナしか居なかった。
「まぁ、理人様ですから、驚きませんが、他の男だったらゲロゲロものですよ!」
確かにこの世界の男は女性らしい女性を嫌うからそうなのかも知れないけど…俺にしてみれば極上のボディだ。
多分、そういう男に好かれる様に進化したせいか『スレンダーな美人美女』が多くなるような進化をしてしまったのかも知れない。
「まぁ、良いや、それじゃ手続きをしてくれる?」
「はい、それじゃ奴隷紋を刻んでいきますので理人様の血をこの皿に下さい」
小刀と小皿を渡された。
指を傷つけ小皿に血を垂らした。
奴隷商はその小皿を受け取るとエルミナの太腿に奴隷紋を刻んでいった。
「はい、これで終了です、良かったですね!エルミナさん…」
「はい!」
「それじゃ行こうか?」
俺はエルミナさんの手を取り、奴隷市場を後にしようとしたら…
「嘘…それ本当に買うの? なら、私も買ってよ! 私が本当のエルフだよ…そんなハーフじゃ無くて私を買ってよ!」
「理人様は無料なんでしょう?無料なら私も貰ってよ…ほら、褐色の肌に黒い肌…ダークエルフが無料で手に入るチャンスじゃん」
確かに言っている事は解る。
無料なら幾らでも…そう一瞬思ってしまったが…
限度、限界はある。
そう考えたら無暗に数を増やす訳にはいかない。
「ごめんね~」
俺は手を振って奴隷市場を後にした。
◆◆◆
「理人様、そのえ~とエルフ? みたいな女性は?」
「エルミナさん…こんど『友達』になるから宜しくね」
「『友達』ですか、いやぁ羨ましいですな」
「あの…本当に私なんかが此処に入って良いんですか?」
「勿論、さぁ入ろう!」
男性保護施設、ここに入るのは女の子の憧れみたいだから、緊張しているみたいだな。
「あっ…はい」
緊張しているエルミナの手を取り中に入る。
「この子の友達登録お願いします」
「はい、畏まりました…それでは、友達の申請から登録までさせて頂きます! 友達なので部屋もご用意出来ますが、他の皆と同じ様な部屋で構いませんか?」
「大丈夫、それで頼むよ」
「畏まりました、あとこの子奴隷ですよね?かなり汚れていますのでお風呂に入れて洋服や下着の準備もしても良いですか?」
「お願いします」
「あの…私、本当に良いんですか?」
「勿論、それじゃ、また後でね」
「はい」
男性保護施設のコンセルジュに任せておけば大丈夫だな。
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