天下を駆ける(時代小説新人賞最終選考落選歴あり、別名義、別作品)
石上史郎(いしがみのしろう)は、父の飼う刺客としての日々に飽いていた。史郎の父は力こそすべてと信じており、息子を刺客として利用している。そんな境遇の史郎は走ること、泳ぐことを生きる糧にしている。その速さ、持続の長さは日の元でも有数のものだった。また、京子(あつこ)のもとに通うことや、友で陰陽法師の真海(しんかい)との語らいも彼にとっては癒しだった。そして、史郎は命を奪った相手の子供を育てている。力こそがすべて、と教えていた。 そんなあるとき、公卿たちがいらぬ戯れを起こす。三つ競べ――のちにいうトライアスロン――を開き、馬を駆る、走る、泳ぐで目当ての地に子飼いの者を向かわせ誰が一番につくのかを競わせることにした。 史郎も公卿の父に命じられ、参加することになる。
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