ピストンに圧縮されたガソリンの熱効率

 荒廃した地球。地上からは生物がほとんど消えうせた。限られたごくわずかな者をのぞき、人類に未来はなかった。
 地下シェルター街に押し込められた人々は、それでも昔ながらの日常をなぞり続けている。

 そんな惰性のような終末期。汚染された地上を、古いバイクで駆ける少年がいた。
 地下に戻れば、彼を待つのは惰眠のような日々と、理不尽な暴力をふるう同級生だ。
 彼にとっては、いつ死ぬとも分からない危険な地上こそが、もっとも心安らげる場所だった。
 しかし、その聖域もやがて脅かされる。

 誰か早く火を点けてくれ。

 これは、緩やかな死を約束された少年が、やがて見つける希望の話。
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