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お父さんの部屋に入ると、お父さんはデスクに座り、すぐ傍にある丸い椅子に促され、座りました。

まるで、診察みたい....。

「瑞希、どう変なのか、教えてくれるかな」

「そ、それは、ですね」

「特別に瑞希の為に研究し、作ったプラセンタなんだ。ヒロの彼女だからね、ヒロを喜ばせたいのもあって、従来の芸能人に処方している物より純度が高い」

「そ、そうだったんですか」

「服を脱いでごらん」

「ふ、服、ですか」

「変な意味じゃない。異変がないか、確認しないといけない。私は医師だからね」

意を決して、白地の女物のトップスを脱ぐと上半身、ブラジャーの俺。

「は、恥ずかしいです...お父さん」

「瑞希は元は男だと知っているし、私も医師だ。診察を恥ずかしがる必要はないよ」

威厳のある声に、確かに、とブラを外します。

「む、胸が少し盛り上がってるんです...ブラをしていても少しですが、谷間が出来て...」

「ちょっといいかな」

お父さんが俺の胸の片方をゆっくり揉んできました。

「確かに」

「太ったのかな、とも思いましたが、どんどん胸が大きくなるし...ブラが少し小さくなりました」

「Bカップはありそうな感じだね」

すると、両手で乳房みたいな俺の胸を真剣な表情で確認するように揉んできます。

「どうだね、違和感とかはないかい?」

「い、違和感ですか」

「痛みだとか」

「痛みはない、です。変な感じがします...」

「変な感じ?きちんと説明してくれるかな」

両手で乳房みたいな胸を揉みながら、これまた真剣に俺の目を見て、尋ねて来ました。

「...しこりは無さそうだね」

「しこり、ですか」

「腫瘍だよ。悪性、良性があるけれど、軽い物は薬で治る。酷くなると手術で取り除かなければいけないんだ」

「しゅ、腫瘍...癌みたいな物、ですか」

「それに近い。しばらく診察も兼ねて、確認させて貰えるかな、申し訳無かったね、良かれと思ったのだけど、副作用が出てしまったみたいだ」

「副作用...」

恐る恐る、お父さんを見ます。

「大丈夫。私に任せて欲しい。大切なヒロの彼女になったんだ。家内の為もある。女になる為にも医師として私がきちんと診させて貰うからね」

優しいお父さんの言葉に、ありがとうございます、と応えました。
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