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しおりを挟む「で、でも、ヒロは」
戸惑う俺にお母さんは優しい笑みです。
「ヒロのことなら大丈夫。心配ないわ。ヒロだけでは物足りない時はあの人に抱かれて構わないのよ。あなたに伝えようと思っていたのだけど、遅くなっちゃったわ」
俺は困惑しました。
「...寧ろ、下手な女より、瑞希ちゃんの方があの人にはふさわしいわ。子供ができることもないし。とても可愛いし、それに。私との関係も良好だもの」
複雑な気持ちで笑顔のお母さんを見つめます。
「だから、ジェラシーなんて私にはないし。ヒロのことも心配しないで。たまにでいいの、あの人のお相手をしてちょうだい」
優しいお母さんを知っているだけに、無理です、とは言えない俺です....。
「さ!朝食の支度を再開しましょ、瑞希ちゃん。そんな顔してないで、なにも心配は要らないのよ。瑞希ちゃんは欲望の赴くまま、それだけでいいの。ヒロも一応は理解しているのだし」
「ひ、ヒロ...?」
お母さんは先に和室を後にし、俺はしばらく和室で呆然と座り込んでいました。
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