トワイライトコーヒー

かぷか

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一部

四夜

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「出てってください!」

「まぁまぁ、美日下君やったか?一人で寂しくしてると思って斎藤と来たんや。それに働かないといけないんでしょ?」

「もしもし。あ、みーさん?そう、今から。住所言うね」

「うちの住所!なんなんですか!」

「今からちょっとしたパーティーあるけど場所貸してくれたらちょっと弾むから」

 休まる時間なんてなかった。次の日勝手にアパートに入ってくるやいなや場所を貸せと斎藤さんと一緒に知らない男が入ってきた。中年太りでいかにも昔のヤクザといった雰囲気だった。

チャイムが鳴ると美男子が入ってきた。アイドルのような顔はいじっているのがわかるほどのイケメンだった。おもむろに下着になる。

「ちょっと!何してるんですか?」

「美日下君、ちょっと楽しむだけだから、なんなら参加していいよ」

「嫌です!」

 また、暫くするとインターフォンが鳴り60代ぐらいの冴えないおじさんが入ってきた。

「お、みーさんかな?」

「あれ~今日はギャラリー多いね」

「今日は初めてここ借りるから、大家と立ち会いね」

「なるほど~今日は君かな?へぇーすごく可愛いね!」

「なんですか!」

 馴れ馴れしく触ろうとするおじさんの手を振り払った。

「みーさん、そっちが大家。シオンね、」

「え!大家さん?あーそう。ごめんね。てっきり…おーシオン君か、久しぶりだね、宜しくね」

「はい、お久しぶりです」

 おじさんは服を脱ぎだしあのイケメンの男に触りだした。

「へぇ~こういう場所もいいね。ビデオみたいで」

「でしょ?」

「今日はシオン君何人とするの?」

「3人です」

「ほう、大変だね。私が一番か」

 男はそんな話をしながら下着の中をまさぐった。そして、ディープキスを繰り返していた。よくあんな人とできるなと思いつつすぐに目を反らした。

「美日下、お茶もらってええ?」

 斎藤さんは無神経にもお茶を催促した。俺も見ているよりましだと思い用意をした。

「シオンはうちの看板男。イケメンやろ?」

「何でうちでこんなことするんですか」

「美日下がお金に困ってると思って。バイトまだ見つかってないし。それに見つかったとしても給料入るん1ヶ月後とかでそれまでの生活困るやろ?」

「大家さん、若いのに大変だね~シオン君もだけど。ほら、足を開いてごらん。そう、自分でだよ」

「別に…余計なお世話です」

「そう?…大家さん、甘えるときは甘えなさいよ。どうにもならない時ってあるから。この人らそんな悪い人ではないし」

「あぁ…あぁ、ん、」

「みーさんはうちの常連客。古参だよね」

「んん?ここだけだと10年ぐらい前かな。生で中で出させてくれるし。男の子が皆可愛いでしょ。若いしね」

「みーさん、何人ぐらいとしたの?」

「人数はもう500人はいってるね。いろんな子がいたけどどのこも良かったよ。シオン君は特に可愛いね~」

「あぁああ!みーさん!みーさん!」

 男同士のを初めて見た、しかも生で。
 俺は二人から目線を変えた。

「美日下は見るの初めて?」

「……。」

「俺は初めて見た時に興奮して勃起してた」

「あはは、お前はどっちも好きやからな。シオン、みーさん終わったら俺もや」

「……何で」

「ん?俺が男好きなん?それともシオンが何でここで働いてるかってこと?」

「…はぃ…」

「あー借金肩代わり。ホント何の捻りもなし。親がヤミ金やって飛んで肩代わり。な?」

「あ、あ、あ、はぃっ、ん!」

「じゃあ初めはやりたくなかったんじゃ…」

「でも今は喜んでしてるよ?加成さんに仕込んでもらったんだよな。容姿も全部また借金してイケメンになったんよな?」

「ん、ん、ん、はぃ、あぁん」

「美日下君は何が言いたい?こんな世界嫌だって?ははは、若いねー」

「……。」

 自分と同じ境遇だった。つまり俺も最終的にはそうなる。だからあの人が言っていたんだ。風俗の方がいいって、多分ここのは違法でやってるから風俗よりも過酷なんじゃないかと想像がついた。

「美日下は売りしたいん?」

「全然したくないです。あ、すみません…シオンさんを否定してる訳じゃ」

「まぁお前らみたいなどうでもいい奴、波に拐われたらもうそこは海底。拐われたやつが悪い。水槽から出た魚は生きられんからな。ほら、シオン次俺だ」

「何の話をしてるんですか和田さん。淡水と海水じゃそりゃ生きれませんよ。それに美日下は魚とちゃいますよ。美日下、俺んとこ来んか?」

「……嫌です」

「例え話やがな。はは、斎藤お前のやったんか、通りで誰も何も言わんはずや」

「何ですか?加成さんには好きにしていいって話してありますから、和田さんもとらんで下さいよ!」

「試しに一回はあるかもな」

「これは俺のなんで!」

「斎藤の俺のなんで~は3ヶ月もたんからな」

 俺はそれを聞いて尚嫌気がさした。やはりこの人も俺とやれればそれでいいんだ。飽きたら俺もシオンさんのようにされるんだろうか…

「大家さん、うまく付き合って楽しむのがコツ。斎藤さん優しい方だからいいと思うよ」

「みーさん、ええこと言うやん。そうそう、楽しまなきゃ損なのよ」

 俺は一日中、男の喘ぎ声を聞きながら過ごした。場所代として1日三人の人に使わせ3000円を手にし奴らは残りのお金を分けていた。そして部屋の掃除は俺がするはめとなった。

 これは部屋貸しと言って借金した人が自分の部屋を他人に貸す事で利息などの借金の肩代わりとして使うらしい。ラブホ等はその都度お金がかかるしデリバリーだと制限などもある。ここならばヤクザ側からしてみたら余分なお金がかからずまるまる儲けれる場所。客側からしてみたら自分の部屋を見られなくて良い事や身バレせず他よりも制限なくできるのがメリットだという。

普段はシオンさんみたいな売り子と客と鍵役のテンダーと呼ばれる人がいる。それとは別に部屋を貸す大家(借金持ち)がいるのだと。今回それが俺らしい。本来なら大家は部屋そのものが借金に回されるのでお金は貰えないらしいが俺は若いのとバイトをしてないということもありお金が少し払われると言った。

 シオンさんは3人として約15万。十日で150万。そんな単純ではないと思うけど…お金が欲しならこの人のように何でもできるだろか…
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