『辞書を引いたら、自称魔族と友達になった。』
研究学園都市は今日も騒がしい。話し合いがダメなら辞書で殴る!~
研究施設、大学、LRT、巨大図書館――そして田んぼと山まで揃った、ちょっと変な研究学園都市。
高校二年生の言ノ葉直人は、どこにでもいる普通の高校生だ。 変わっているところといえば、スマホ全盛の時代に紙の国語辞典『青嶺国語辞典』を持ち歩き、分からない言葉があればすぐに引くことくらい。
そんな直人が、図書委員仲間の変人・鳥羽野朔と立ち寄った《異世浜食堂》で、小さな角と黒い尻尾を持つ少女――黒羽ミコトと出会う。
「私は由緒正しき魔族なのです!」
「誰が決めたの?」
「私です!」
「じゃあ現時点では自称だな」
「そこ、疑うところですか!?」
こうして始まった、自称魔族との騒がしい日常。
ところがある日、直人たちの前に「一度見たものを絶対に忘れない」少女・天瀬記乃が逃げ込んでくる。
彼女は研究施設で、決して見てはいけないものを見てしまった。
しかも――覚えているのに、その内容だけが言えない。
記乃を追う謎の少女《セラフ・ゼロ》。 《分類不可》と判定されるミコト。 記録に残された謎の時刻、17時12分。
そして戦いとは無縁だった直人が苦し紛れに放った、ただのパンチ。
「必殺! 《他称殺し》!」
「勝手に技名つけんな!」
能力なんてない。
必殺技でもない。
なのに周囲がその名前を使い始めたことで、存在しないはずの《他称殺し》は独り歩きを始める。
やがて直人たちは、一つの奇妙な疑問へ辿り着く。
――もし、大勢が同じ名前で呼び続けたら。
存在しなかったものまで、本当に「ある」ことになってしまうのではないか?
そして研究記録には、ミコトが生まれるより前から存在したかもしれない、ある言葉が残されていた。
《魔族》
名前が先か。存在が先か。
辞書には言葉の意味は載っている。
だけど――自分が何者なのか、その答えまでは載っていない。
辞書好き高校生と自称魔族が挑む、研究学園都市・語彙ミステリーコメディ開幕!
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しかも――覚えているのに、その内容だけが言えない。
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必殺技でもない。
なのに周囲がその名前を使い始めたことで、存在しないはずの《他称殺し》は独り歩きを始める。
やがて直人たちは、一つの奇妙な疑問へ辿り着く。
――もし、大勢が同じ名前で呼び続けたら。
存在しなかったものまで、本当に「ある」ことになってしまうのではないか?
そして研究記録には、ミコトが生まれるより前から存在したかもしれない、ある言葉が残されていた。
《魔族》
名前が先か。存在が先か。
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だけど――自分が何者なのか、その答えまでは載っていない。
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